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2024.10.10

【建て替えVSリフォーム】どっちがお得!?建て替えとリフォームのメリット・デメリットと判断基準とは?

こんにちは、太陽ハウジングです。

一戸建てを購入して築年数が経過すると「子供が独立して同居する家族が減った」、「ライフスタイルの変化に合わせて間取りを変えたい」などライフスタイルの変化が出てきますよね。そのときに、新築に建て替えるか?リフォーム(リノベーション)するか?で迷う方も多いのではないでしょうか。

新築をメインにしている住宅会社に相談すると、リフォームは手間がかかる割には売上や利益が伸びないことや、リフォームに慣れていないため現場で不測の事態が発生しやすいといった会社側の都合から、「リフォームではなく建て替えがいいです」と勧められることがあります。
一方、リフォーム会社に相談すると、「リフォームのほうが建て替えよりコストが安く、短い工期でできますよ」と、自社の得意な分野に話を持っていきます。
確かに建て替えよりリフォームは、コストが安く工期も短く済みます。ただし、リフォームの怖いところは、打ち合わせが進むと他の箇所も気になることです。「壁紙を直すなら床も直そうか」「床を直すならキッチンも見てみようか」「光熱費が上がったから窓も見直そうか」「屋根も…外壁も…」と、どんどん広がっていきがちです。

リフォームの計画が進むにつれて追加の工事が増えることが多いのも事実です。
そのため、リフォームを検討する際にはあらかじめ全体の範囲や予算をしっかり把握しておくことが大切です。

余談ですが、リフォーム会社からすると、小さい金額でお客さんをGETしておけば、後から追加金額をどんどん大きくできるというメリットがあります。リフォーム業界の常識ともいえる部分なので、リフォーム広告で(安いなぁ)と思う商品を目にしたら…、今回の記事を思い出していただけたらと思います。

前置きが少し長くなってしまいましたが、「建て替えVSリフォーム」の一般論として、どちらが良いのという「目安」を知っておいたほうが良いと思いますので、今回は建て替えとリフォームのそれぞれのメリット・デメリット、建て替えorリフォームの判断基準をお伝えしようと思います。

■建て替えのメリット・デメリット


まず、建て替えのメリットとデメリットをご紹介していきます。

【建て替えのメリット】
・間取りが自由

既存の住まいの制約を受けることなく、理想の間取りを実現できます。

・地盤補強から建物まで耐震性向上
既存の建物を取り払うため、地盤補強から工事が可能です。
また、耐震等級3の取得や許容応力度計算に対応し、最新の建物性能基準を満たすことができるのもメリットです。

・住宅性能の向上
1980年以前(断熱に関する法律が制定される前)の建物は、無断熱の建物が多く寒いのが当たり前でした。窓や断熱材などの改善により、断熱性能や気密性能がアップするので、ヒートショック対策も含めて一新することができます。

・住宅ローンや各種優遇措置が受けられる
新築と同じ扱いのため期間35~50年、金利0.5%台の住宅ローンを使うことができます。さらに長期優良住宅であれば、住宅ローンの優遇措置や特例措置、補助金などの優遇が受けられます。

【建て替えのデメリット】


・コストが高い
既存建物の解体工事と新築工事のコストがかかります。
2006年以前に建てられた建物の場合は、発がん性物質のアスベストを含んでいる建材などが使用されている可能性があります。そのような場合は、アスベストが飛散しないように解体工事を行う必要があるため解体費用が高額になる場合があります。
また、建物の解体にともない、仮住まいのアパートやマンションなどに引っ越しをする必要があります。

・時間がかかる
建築会社選びや設計士やインテリアコーディネーターとの打合せに時間がかかります。さらに既存建物の解体工事、新築工事、仮住まいへの引越しなど時間がかかる工程が多いため、ゆとりのあるスケジュールを確保する必要があります。

・税金がかかる
新築と同じように不動産取得税や登録免許税、登記手続きなどの各種手続きが必要になります。

■リフォームのメリット・デメリット


次に、リフォームのメリットとデメリットをご紹介していきます。

【リフォームのメリット】
・コストが抑えられる

リフォームしたい内容や施工方法を絞って手入れできるので、予算に合わせることができます。また、変更したい部分だけに手を加えることができるため、こだわりたい部分に予算を集中させることもできます。

・工期が短い
大型リフォームやリノベーションの場合は1~5ヶ月程度で完了します。また、部分的なリフォームであれば、最短で1日~数週間で終わることもあります。
また、住みながら施工可能なケースも多く、仮住まいが不要な場合もあります。

・税金の減免措置や補助金がある
耐震リフォームやバリアフリーリフォームなどの場合は、一定の要件を満たすことで税金の軽減措置を受けられるようになります。「子育てエコホーム支援」や「先進的窓リノベ」など、比較的小規模のリフォームでも補助金が受けられます。

【リフォームのデメリット】
・間取りに制約がある

リフォームは構造躯体を残す前提で行います。建物の工法(在来工法、2×4、軽量鉄骨、プレハブ、重量鉄骨など)により壁を全く動かせないなどの制約により、思い描いていた間取りにできない場合があります。

・建て替えと変わらないコストがかかることがある
多湿や結露による腐食、シロアリ被害により建物の構造躯体の劣化が著しい場合、地盤沈下など地盤の状態が悪い場合は、大掛かりな補修が必要となります。そのため、建て替えと同じくらいのコストがかかってしまうケースもあります。

・住宅ローンが不利
リフォームローンの期間は長くて15年、金利は2%程度なので、新築(建て替え)と比べるとかなり不利です。借入の上限金額も1000万円程度です。

■建て替えとリフォームの違い


建て替えとは、現在住んでいる家を取り壊し、同じ土地に新しく一戸建てを建てることです。既存の家を完全に解体して、新たな住まいを一から建て直すイメージです。
一方、リフォームは現在の家をそのままに、間取りの変更やキッチンなどの設備を交換する工事のことです。リフォームには、壁や設備の一部を取り換える「部分リフォーム」や、全体を改修する「フルリフォーム」など、さまざまな種類があり、範囲や内容はケースによって異なります。
どちらが適しているかは、それぞれの特徴や違いを理解した上で慎重に判断することが重要です。

これまで確認してきたように、建て替えとリフォームにはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。
そのため、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

ここからは、迷ったときに参考にできる判断基準をQ&A方式でご紹介します。

■建て替えとリフォームを迷ったときのQ&A


Q.壁紙(クロス)や床が汚いのできれいにしたい
A.リフォームで対応できます。

クロスが色あせたり、めくれたり汚くなっている場合や、床がボコボコして一部剥げて見た目が悪い場合などは、リフォームで十分対応できます。
施工範囲によって異なりますが、一般的には数万円~100万円以内でリフォームが可能です。

Q.壁紙や床(上記の内容)とキッチンを変えたい
A.リフォームで対応できます。

キッチン自体の耐用年数は一般的に10年~20年程度と言われています。メンテナンスやお手入れを頻繁に行って30年近く使用できる場合もありますが、シンクにヒビや錆、水栓から異音や動かしにくいなど、不具合を抱えたキッチンは家事効率が下がるだけでなく、安全性にも影響します。
耐用年数の短い水栓や食洗機の不具合は交換が多いですが、キッチン本体よりもシンクやコンロ、レンジフードの不具合に合わせて交換(リフォーム)される方が多いかもしれません。
壁紙と床、キッチン交換で150万円以上の費用はかかりますが、新築かと思うくらい見違えるようにきれいになります。

Q.壁紙と床、キッチンを変えるなら間取りも変えたくなった
A.リフォームで対応可能ですが、築年数や内容によっては建て替えを検討する必要があります。

家の空間ごとに仕切りがあるので、仕切りを取って広くしたいという場合もリフォームで対応可能です。ただ、昔の家は断熱性能が低いため、狭い部屋で暖房効率を上げるために空間ごとに壁で仕切っていたという経緯があります。そのため、仕切りの壁を全部取ってしまうと、ものすごく寒い家&熱い家になりかねないので、築年数や断熱の状態によっては建て替えしたほうが良いかもしれません。

Q.シロアリの被害に遭った場合は?
A.シロアリ被害の程度により対応が変わります。

シロアリ被害に遭った場合は、専門業者さんに依頼してシロアリの駆除と防蟻処理として薬剤の散布を行いましょう。防蟻処理は保証の関係で5年毎に実施する必要があります。そのためコストがかかること、防蟻処理をしても100%大丈夫というわけではないことを覚えておいてください。
シロアリ被害の程度によっては、建て替えが必要になるケースもあります。例えば、食害により構造躯体がスカスカで建物の強度が保たれない場合は、木材の強度を高めるためのリフォームで対応可能ですが、建物全体に食害が確認できる場合は建て替えが必要になります。

Q.雨漏りしている場合は?
A.雨漏りも程度により対応が変わります。

雨漏りがあっても軽度で、修理して雨漏りが止まっていれば問題ありません。
雨漏りが酷い場合に、屋根の葺き替えや重ね葺き、外壁の張り替えまでリフォームしようと思うと、建て替えも検討することになると思います。
判断に迷うときは、雨漏りの影響で建物の構造躯体が腐食しているかどうかが一つの指標です。もし腐食している場合は、建物の強度が低下していますので建て替えが有力になります。

また、シロアリ対策や雨漏り対策と並行して、「壁紙や床などの内装、キッチンなどの水まわり設備、間取りも一緒にリフォームしたい!」となってくると、1000万円を超える価格となっていきますが、それでも建て替えよりは安いです。
ただ、それなりの価格帯となりますので、そこまでするのであれば建て替えしたほうが良いか?と悩み始めると思いますが、リフォームでも目に見える変化を感じられると思います。テレビ番組で、劇的ビフォーアフターという番組があったと思いますが、そのレベルで変わります。
内観も外観もキレイにして、水まわり設備や間取りを変えて、「なんということでしょう。××だった空間が〇〇に!」みたいな世界だったら、リフォームでいけると思います。

Q.家が古いので地震で壊れないか心配な場合は?
A.耐震基準によりますが、ほぼ建て替えでしょう。

1981年(昭和56年)6月以前に建築確認を受けて建てた建物は、旧耐震基準となり耐震性能が不足している可能性が高く、南海トラフ地震や今後発生するかもしれない大地震への備えとして早急に対策する必要があります。
「耐震リフォーム」を行う方法もありますが、旧耐震基準から新耐震基準への補強はかなりの費用がかかります。耐震補強と合わせて他の断熱や内外観、水まわりのリフォームも行うと建て替えと同様の費用がかかると予想できます。

参考資料として2016年に発生した熊本地震の被害データです。
※出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所

2016年に発生した熊本地震の倒壊確率として、最も揺れの強かった熊本県益城町にて、倒壊崩壊・大破した建物は1981年6月以前の旧耐震基準で倒壊崩壊・大破した建物は約半数の約50%、軽微・小破・中破した建物は約46%、2000年6月以前の新耐震基準で倒壊崩壊・大破した建物は約20%、軽微・小破・中破した建物は約60%でした。
また、全く被害がなかった無被害の建物は、1981年6月以前の旧耐震基準で約4%、2000年6月以前の新耐震基準で約20%と少ないことが分かります。特に、1981年以前に建てられた建物は、震度6以上の揺れで倒壊する可能性がありますので、建て替えを強くおすすめします。

Q.家の中の暑さ・寒さを何とかしたい
A.どこまで求めるかによりリフォームと建て替えに分かれます。

家の中の暑さや寒さは地震対策同様に、ヒートショック対策として最優先で対策すべき内容になります。
暑さや寒さは断熱性能の低さが原因で、特に1980年以前の建物は無断熱の家が多かったので寒いのは当たり前です。

家の中の暑さ・寒さ対策として、まず検討することは「窓」です。昔の建物の窓はアルミサッシの単板ガラスが一般的だったので、それが暑さ・寒さの原因になっています。まずは、窓リフォームを検討してください。
サッシの枠ごと交換は、室内側だけでなく外壁にも影響するので、リフォーム工事の内容として「内窓の設置」が有効です。これだけで劇的に室内が快適になるケースもあります。今なら窓リフォームに特化した「先進的窓リノベ2024」という補助金制度もあります。このような補助金制度を上手く活用してください。

ただ、窓だけではなく本格的に断熱性能を含めて改善したい場合は、費用次第で建て替えとなります。もちろん断熱リフォームだけなら、建て替える必要はありませんが、先ほどのQ&Aで紹介した壁紙や床などの内装、キッチンなどの水まわり設備、間取りを並行してやる場合は、建て替えよりちょっと安いくらいの価格帯になります。

また、暑さ・寒さにお悩みの方は、窓・壁・床・屋根の断熱リフォームをすれば、かなりの違いを実感できるはずです。快適なだけでなく、気温差が原因で起きる結露やヒートショックの予防にもなります。今も上がり続けている光熱費を抑えることもできます。

「冷えは万病の元」です。
ヒートショックのみならず健康的な暮らしのために、内窓リフォームや断熱リフォームを検討してください。

今回のコラムでは、建て替えとリフォームそれぞれのメリット・デメリットと判断基準についてお話ししました。どちらが最適かは、お住まいの状況やライフスタイルによって異なりますが、大切なのは、皆さんがご家族と安心して暮らせる住まいを選ぶことです。
「建て替えかリフォームか、どちらがベストかわからない」という方もいらっしゃると思います。そんな時は、ぜひ太陽ハウジングにご相談ください。私たちは、お客様の理想の住まいづくりを全力でサポートいたします。お一人おひとりのご要望に寄り添い、経験豊富なスタッフが最適なご提案をさせていただきます。
太陽ハウジングはLIXILリフォームショップ加盟店です。厳しい評価基準をクリアしたプロのリフォームコンシェルジュ、ホームインスペクターやリフォームアドバイザー資格を有したスタッフも在籍しておりますので、機器交換などのブブンリフォームから家一棟まるごとのフルリフォームまでお任せいただけます。

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