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2024.11.10

工務課・森

オトナの階段

こんにちは、工務課の森です。

 
 

 

家の近くにできた屋内プール。 

20歳の頃始めた水泳。

もう30年、ここでの出来事はたくさんある。

この話はそのひとつです。

 
 

習慣のひと泳ぎ、着替え始めると小学生が3人更衣室へ入ってきた。

や、やかましい‥。

なんだかよくわからない会話で盛り上がっている。

テンション最高潮という様子だ。

更衣室はこの男の子たちと、うるせぇ、、と目で訴える私との4人だった。

 

ひとりが放った一言が、私の首を勢いよく回転させる。

強制的に振り向かされた。

 

「オレ、生えてきた!」‥

 

大騒ぎになった。

 

『えっっ、うぁわ〜、みせて!!!』

 

『うぉ〜ォ』

 

『すっげぇ〜』

 

局部に顔をくっつけ、至近距離で観察している。

ふたりとも腰をかがめ、

丸出しのケツを突き上げマヌケな姿‥

本人は全裸で胸を張って仁王立ちだ‥。

 

『長いのもある〜』

 

『すっっ  げぇぇ〜』

 
 

おかしな儀式でも見せられている様な騒ぎは、私の耳をキンキンさせている。

 

ちょうど私はパンツを脱ごうと手をかけた。

 

一瞬、躊躇した‥‥‥。

 
 

長いのが少しあるくらいで、この騒ぎだ。

 

もし私が、パンツを下ろしたら‥

 

こんな騒ぎでは‥、す、すまない‥‥

 
 

3人が私のとこに駆けつけ、顔をくっつけてくる‥

 
 

と妄想してしまった。

 
 

私は彼らに背を向けた。

猫の様な姿勢で、存在を消す様に静かに着替えた。

 
 

やかましい小学生‥

 

彼らの無垢なところが懐かしかった。

もし今、私が彼らの年頃に戻れたら、

一緒に狂い、顔をくっつけ、腹の底から

 

『すっげぇ〜』

と言ったにちがいない‥