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2025.02.06
【金利上昇時代の住宅ローン】変動金利か固定金利か?後悔しない選び方と対策とは?
こんにちは、太陽ハウジングです。
先日の利上げ発表や日銀の植田総裁の発言を踏まえると、今後も金利が上がっていく可能性が高い見通しとなっています。
詳しくは、前回のコラム「2025年1月30日家づくりコラム【変動金利で住宅ローンを組む方必見!】1月24日の日銀発表の利上げで負担はどう変わる?」で説明していますので、ご覧ください。
今回は、金利上昇が予想される中で、「これから家を建てるのであれば、変動金利と固定金利のどちらが良いのか?」そして「金利上昇時にどのような対策を取ったほうが良いのか?」について、これから家を建てる方の参考になる情報をお伝えします。
もちろん、未来の金利動向は誰にも分かりませんが、私自身ならどうするのかという視点も交えながら解説していきます。

■変動金利と固定金利のどちらが良いのか?
家を建てる際、住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」どちらを選ぶべきか悩む方は多いのではないでしょうか?最近の金利上昇を受けて「固定にすべきか?」と考える方も増えているかもしれません。
ただ、私個人の考えとしては 「変動金利一択」 です。私自身が住宅ローンを組むなら 変動金利を選択するという考えです。
■変動金利と固定金利の違いと選び方
まず、変動金利と固定金利の違いについて簡単に整理しましょう。
・変動金利
半年ごとに金利が見直され、将来の金利変動によって返済額が変わる可能性がある。現在の金利は低いが、将来的に上昇するリスクがあります。
・固定金利
契約時の金利が完済まで変わらない。金利上昇リスクを避けられるが、変動金利と比べて最初の金利が高くなる傾向があります。
どちらを選ぶべきかは、「多少の金利変動があっても支払い総額を抑えたいなら変動金利」、「金利上昇リスクを完全に避けたいなら固定金利」と考えると分かりやすいでしょう。
また、「最も低い金利=変動金利」ではなく、その時々で最も低い金利を選択することが重要です。20年前の住宅ローン市場では、最も低い金利は「3年固定」でした。現在は「たまたま」変動金利が最も低いだけで、固定金利が有利になる局面もあるかもしれません。固定金利は「安心を利息で買う」という考え方とも言えますね。
■変動金利を選ぶ理由は?
・変動金利が固定金利に追いつく状況について
「変動金利が上がり、固定金利と同じ水準になったらどうするの?」という質問をよく受けます。
住宅ローンの金利は、日本銀行の金融政策や経済状況によって決まります。仮に変動金利が固定金利に追いつくような状況が起きるとすれば、それは「ものすごい好景気」になっているという状況です。経済が活性化し、物価や賃金が大きく上昇していることが前提になるということです。むしろ、そんな景気の良い時代が来てほしいですよね(笑)
・借入残高が大きい時期の影響
金利が家計に与える影響は、「借入金額の残高がどれくらいあるか」で大きく左右されます。例えば、住宅ローンを借りたばかりのときは、4,000〜5,000万円の残高がある状態です。この時期に金利が高いと、支払い総額が大きくなってしまいます。
一方で、ローン返済が進み元本が減り、借入残高が少なくなると金利上昇の影響も小さくなります。
・固定金利との差は軽自動車1台分以上!
住宅ローンを組む際、「元金を減らすこと」は金利負担を軽減する大きなポイントになります。なぜなら、ローンの金利が上昇したとしても、元金が減っていれば 利息がかかる対象額自体が小さくなるため、金利上昇の影響を抑えられるからです。
では、どのようにすれば無駄な金利負担を抑えられるのでしょうか?
その答えは「選べる金利の中で、最も低い金利を選ぶこと」にあります。
現在の市場では、目の前にある選択肢の中で最も低い金利条件は変動金利です。
そのため、最も金利負担が大きくなる借入初期に、低金利の変動金利を選ぶことで、利息を大幅に抑えることが可能になります。
例えば、固定金利を選んだ場合と比較すると、支払う利息の総額に 軽自動車1台分(数百万円)ほどの差が生じることもあります。そのため、「金利が上がる可能性があるから最初から固定金利にする」という考え方ではなく、「借入残高が大きい時期に、少しでも低い金利を適用する」という視点で判断することが重要です。
だからこそ、固定金利よりも低い水準でスタートできる「最も借入残高が大きい時期」に金利を低く抑えられる変動金利のほうが有利ではないかと思います。
いずれにしても、住宅ローンの金利は、経済状況や政策によって変わるため、未来の金利動向は誰にも予測できません。そのため、最終的にはご自身のリスク許容度やライフプランに応じて判断することが大切です。
「多少の金利変動があっても、支払い総額を抑えたい」 → 変動金利向き
「金利が上がるリスクを完全に避けたい」 → 固定金利向き
私自身は、これまでの金融政策の動向を考えても「変動金利一択」かな…と、金利上昇傾向の今でも思いますが、住宅ローンは長期間にわたるものです。
慎重に検討し、どちらの金利を選ぶかは、ご自身の判断で選んでいただければと思います。

■住宅ローン対策
それでは、金利が上がる中で、どのような対策を取ったほうが良いのか?をお伝えします。
・元金均等返済を選択
金利が上昇する局面では、返済方法を「元利均等返済」ではなく「元金均等返済」にするのも有効な選択肢の1つです。
住宅ローンを組む際、ほとんどの方が「元利均等返済」を選択します。
「元利均等返済」
毎月の返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画を立てやすく、家計管理がしやすい点がメリットです。
ただし、返済開始当初は支払う金額のうち利息の割合が大きく、元金の減りが遅いという特徴があります。
「元金均等返済」
毎月一定の元金を返済し、その上に発生する利息を支払う方式です。
そのため、返済初期の負担が大きくなりますが、元金の減少が早いという特徴があります。
元金均等返済のメリットとして・・・
・元利均等返済に比べて総返済額が少なくなる
・元金の減りが早いため、金利が上昇しても影響を受けにくい
同じ借入期間で比較すると、金利が上昇する環境では、元金均等返済のほうが利息負担を軽減できる可能性が高くなります。
■「元利均等返済」と「元金均等返済」どちらを選ぶ?
・毎月の返済額を一定にして、安定した資金計画を立てたい
→ 元利均等返済向き
・当初の返済負担が大きくても、総返済額を抑えたい・早く元金を減らしたい
→ 元金均等返済向き
特に、金利が上昇すると予想される場合は、元金均等返済を選択することで金利上昇リスクを軽減できる可能性があります。
返済にある程度余裕のある方は、元金均等返済を検討するのも一つの有効な対策になってくると思います。
ただし、 元金均等返済を選択できるのは、主に大手金融機関(UFJやSMBCなど)に限られます。大手金融機関は、金利条件がやや高めに設定される傾向があるため、慎重に総合的な判断が必要です。
(ちなみに、これまで私が担当したお客さまで元金均等返済を選ばれた方は少なく、その多くが返済計画に余裕を持てる職業の方でした。)
■繰り上げ返済はどうするべきか?
住宅ローンには「住宅ローン控除」という制度があります。
これは、住宅ローンの借入金の12月末時点の残高に対して0.7%の控除を受けられる仕組みで、控除期間は最大13年間です。
今年の税制改正大綱でも、住宅の種類に応じた控除上限額が維持される見込みです。
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(令和7年度税制改正大綱より抜粋)
これまでは、住宅ローン控除を最大限活用するために、金利が低いうちは繰り上げ返済を控えるのが得策とされてきました。つまり、13年間は繰り上げ返済をせずに、手元に現金を置いておくという考え方です。
しかし、今回の政策金利の引き上げにより、変動金利が0.7%を超える銀行が出てくる可能性が高まっています。
そうなると、「0.7%の控除を受けても、支払う金利のほうが高くなる」というケースが発生し、従来の「繰り上げ返済はしないほうが得」という理屈が通らなくなる可能性があります。
もし住宅ローンの金利が0.7%を超えてしまうのであれば、早めに繰り上げ返済をしたほうが有利になる可能性があります。
さらに、手元に十分な現金がある場合は、土地・建物の購入時に自己資金として投入するのも一つの選択肢です。
今後、変動金利が上昇する可能性があることを考えると、早めに借入額を減らしておくことはリスク回避につながります。
だからと言って、手元の現金が少ない状態で無理やり繰り上げ返済をするのは、絶対におすすめしません。手元に現金があることは、何よりの精神的な安定剤になりますし、万が一の事態にも対応しやすくなります。また、余計な保険に入る必要がなくなるなど、現金を置いておくことのメリットは非常に大きいです。
そのため、繰り上げ返済や自己資金の投入をしても問題ないのは、あくまで「十分な現金が手元にある方」に限ります。

■最も有効な対策は「稼ぐこと」
住宅ローンの金利上昇に対する最もシンプルで効果的な対策は、「自分の収入を増やすこと」です。
金利が上がるということは、基本的に経済が好調であり、賃金も上昇している状況を意味します。
「でも、それは大企業だけの話でしょ?」、「中小企業には賃上げの波が来ていない!」という意見もあるかもしれません。確かに、現時点ではすべての企業に均等に賃上げが行き渡っているわけではありません。しかし、今はどの業界でも人手不足が深刻化しており、転職市場が活発化している時代です。
もし、今の会社で給料が上がらないのであれば、
・転職を視野に入れる
・より成長性のある業界へシフトする
・スキルアップを図り、より高収入の仕事を目指す
といった対策を講じることで、収入を増やせる可能性が高まります。
特に、スキルを身につけ、一生懸命努力した人が報われやすい時代になってきています。
「この業界は儲からない」と決めつけるのではなく、柔軟に選択肢を広げ、自分自身ができる対策を前向きに考えることが重要であると強く思います。
金利が上がることでローンの負担が増えるのは確かですが、そんなに悲観的にならなくても良いと思います。「賃金が上がる可能性が高まっている」というポジティブな側面もあります。
つまり、今こそ収入アップを目指して行動を起こしやすいタイミングなのです。
元も子もない話かもしれませんが、収入を増やすことが住宅ローンの負担を軽減する最もわかりやすい対策なのは間違いありません。
金利の動向に振り回されるのではなく、自分自身の成長と収入アップに目を向けることも、長期的に家計を守る有効な手段と言えるでしょう。
金利の上昇は家計に影響を与えますが、それに対する対策をしっかり考えれば、大きな不安を抱える必要はありません。
「どの金利タイプを選ぶか」「どのような返済計画を立てるか」「どのように収入を増やしていくか」それぞれのライフプランに合わせた選択が重要です。
太陽ハウジングには、住宅ローンを得意とするスタッフが多数在籍しており、住宅ローン選びに関するご相談も承っております。
金利動向が気になる方、ローン選びに迷われている方や不安を抱えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。