太陽ハウジングの家づくりコラム
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2023.12.21
外構計画で注意するべきポイント #4|デッキ編
こんにちは、太陽ハウジングです。
外構計画のコラム4回目は「コストを減らす外構計画」のデッキ編をお届けします。ウッドデッキとタイルデッキの2つについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
外構計画の連載はこちら↓
「外構の意匠性を向上させるポイント」
1回目「玄関ポーチ」の記事はこちら
2回目「植栽」の記事はこちら
「コストを減らす外構計画」
3回目「アプローチ・フェンス」の記事はこちら
■外構計画のコストを減らす方法
コストを減らすためには「安全性」「デザイン性」「耐久性」の3点を軸に外構計画を行うことです。
この3つの視点を抑えておけば、コストをかけない最低限の外構計画でも、失敗は避けられるはずです。
前回3回目では、安全性、デザイン性、耐久性の3点を軸に「アプローチ・フェンス」についてご紹介しましたので、今回は「デッキ」の注意するべきポイントをお伝えします。
■デッキの注意するべきポイント
結論からお伝えすると「何となく」でデッキを作らないというのがポイントです。
デッキは本当に必要でしょうか?
というのも、デッキを設置したにもかかわらず、結局使わないで砂ぼこりを被っている家を、実際に見かけているからです。
要望である「デッキをつけたい」が家づくりの「目的」になっていまっていませんか?
「デッキをつけること」は、家づくりの中の手段であって目的ではありません。
例えば、
バーベキューをするからデッキがほしいと良く聞きますが、本当にバーベキューをしますか?
子供を遊ばせるのに使いたいと思っていても、実際に遊ばせる時間を考えたら、それだけのためにデッキを作るのは勿体ないと感じませんか?
冷静に何を目的とするのか、その手段としてデッキを作ることが正しいのか考えてみてください。その上で、安全性・デザイン性・耐久性を考えていきましょう。
■おすすめは「ウッドデッキ」
デッキについては、タイルデッキよりウッドデッキをオススメします。
理由として、2つのポイントがあります。
・タイルデッキは夏場暑くなる
・ウッドデッキを上手く活用すればリビングを広く見せることができる
それぞれ解説していきましょう。
・タイルデッキは夏場暑くなる
夏場のタイルデッキは危険なほどに熱くなり、地獄といっても過言ではありません。
そこで目玉焼きや焼き肉ができるんじゃないかと思うほど熱くなります。
そのくらい熱くなってしまうと、せっかくの夏場にも使えないということも起きてしまうので、タイルデッキを検討している方は本当に注意してください。
・ウッドデッキを上手く活用すればリビングを広くみせることができる
リビングとウッドデッキとの境界面を曖昧することで、リビングを広く見せる効果があり、きちんと意識すれば視覚的な恩恵を受けやすいということです。
ウリン材やイペ材で作られたウッドデッキをオススメしたいところですが、高額なのでコストを抑えるなら、比較的安価な「樹脂製のウッドデッキ」が良いでしょう。リビングのフローリングの色と近い色を意識して選ぶことで、リビングを広く見せることができます。
各メーカーの樹脂製のウッドデッキのラインナップも豊富です。
LIXIL「樹ら楽(きらら)」
三協アルミ「ひとと木2」
YKKAP「リウッドデッキ200」など。
どれも樹脂木(樹脂と木粉を混ぜ合わせて成型したもの)なので、一目見ただけでは樹脂か天然の木材か見分けがつきません。
■樹脂と天然木材のウッドデッキの特徴、メリットとデメリット
では、簡単に樹脂のウッドデッキと天然木材のウッドデッキの特徴、メリットとデメリットをお伝えします。
〇樹脂のウッドデッキ
【特徴】
樹脂が材料として使われており、木粉とプラスチックを混ぜ合わせて成型した材料でリアルな木目模様や溝を表現し、天然木材の質感を持つ素材もあり、カラーバリエーションも豊富。
デッキを支える支柱はアルミ製のため腐る心配がなく強度的にも安心です。
【メリット】
・比較的安価で施工できる
天然木のデッキと違い、塗装や防腐剤の塗り替えなどメンテナンスにかかる費用が必要ないため、ランニングコストも抑えられます。
・耐久性がある
樹脂を含んでいるためシロアリに強く、湿気を吸わないので木材のように腐ることは抑えられます。防腐処理や薬剤を塗る必要がないため、万が一、小さなお子さんやペットが舐めてしまっても身体への危険性は低くなっています。
・色が長持ち
デッキの材料自体に色を混ぜているので削っても色は変わりません。
日焼け程度の変化はありますが、色落ちしにくいです。
・反り、伸び縮みが少ない
樹脂のため吸水率が低く、反りや伸び縮みが起こらないので、長期に渡り使用できます。
反りや伸び縮みが少ないため、割れやささくれの心配がありません。
【デメリット】
熱の吸収・保持
材料が樹脂のため熱を吸収しやすく保持しやすいため、夏場は表面温度が上がって熱くなります。
・風合い
天然木材の風合いに近く自然な味わいを感じられる樹脂のウッドデッキも増えていますが、あくまでも天然木材に似せて作ったものなので、木の風合いは感じにくいです。
〇天然木材のウッドデッキ
【特徴】
広葉樹で作られた密度の高い木材の「ハードウッド」と、針葉樹で作られた密度の低い木材の「ソフトウッド」の2種類があります。
ハードウッド(イペ、ウリン、ウバなど)は、硬いため耐久性が高く湿気にも強いですが、価格が高いです。
ソフトウッド(杉、檜など)は、柔らかいため耐久性が低く腐りやすいため定期的な防腐処理などのメンテナンスが必要ですが、価格がお値打ちです。
【メリット】
・木の風合い
天然木材ならではの質感、匂いやぬくもりを感じられる質感があり、味のある優しい印象を与えてくれます。
・表面温度が上がりにくい
夏場のウッドデッキの表面温度は非常に高くなりますが、樹脂と比べると表面温度が上がりにくく、真夏でも裸足で歩くことができます。
【デメリット】
・コストが高い
ハードウッドとソフトウッドでは「導入コスト」に違いがあります。
ソフトウッドはお値打ちです(樹脂製よりは高いです)が、定期的に防腐処理等のメンテナンスが必要なためランニングコストが高くなります。
ハードウッドは湿気に強く耐久性もあるため、メンテナンスが少ないですが、導入コストはソフトウッドの倍以上です。
長期的に考えると、ハードウッドのほうが良いですが、価格が高騰して安易に購入しようと思う価格ではないため導入ハードルが高いかもしれません。
・メンテナンスが必要
雨風や紫外線にさらされることで劣化や腐敗のリスクがあるため、定期的なメンテナンス(洗浄・塗装)が必要です。最低でも年に1回は防腐処理等のメンテナンスが必要です。
・湿気に弱い
天然木材は湿気を吸収し、反りや伸び縮みします。
樹脂製のウッドデッキと天然木材のウッドデッキをまとめましたが、どちらの材料が良いか迷うと思います。メンテナンスが少なく価格がお値打ちな樹脂、温かく優しい印象を与える天然木材。それぞれメリットとデメリットを良く理解した上で最適な素材を選んでください。
ここまでの話をまとめると、デッキを設置する場合は何を目的として設置するのかではなく、デッキを設置する手段が家づくりの中で本当に最適解なのか、しっかり考えることが大切です。
デッキを設置するなら、視覚的に恩恵を受けやすいウッドデッキがオススメで、リビングとウッドデッキの繋がりを意識する。つまりデザイン性を重要視したほうが良いです。
■ウッドデッキの依頼時に伝えた方が良いこと
ウッドデッキを設置する際のポイントをもう1つ紹介します。
ウッドデッキを依頼する際は「リビングの床と繫がるようにフラットに施工してください」と
施工会社もしくは担当者に伝えてください。
ウッドデッキがフラットに施工されるのが当たり前と思っていると失敗します。
ウッドデッキは水切りの下や窓枠の下に施工するのが一般的だからです。
この施工方法だとリビングの床とウッドデッキに段差ができますので、フラットに繋げることはできません。
では、なぜウッドデッキをリビングの床と繋げるようにフラットに施工してくれないのか?
それは、うまく施工しないとウッドデッキをつたって基礎内部に雨水が入ってしまう可能性があり、構造躯体(建物の土台部分)に悪影響を及ぼしかねないからです。
だから、無難に水切りの下や窓枠のしたにウッドデッキ施工するわけです。
フラットレールを採用するなど方法はありますし、ウッドデッキ自体に雨水が下に抜ける隙間があります。
ウッドデッキを依頼する場合は、きちんと目線合わせができているかの確認のために、施工会社もしくは担当者に「リビングの床と繫がるようにフラットに施工してください」と伝えてください。
■フロア方向もポイント
あと、細かい内容かもしれませんが、フロア方向(板の向き)にも大事なポイントです。
リビングのフローリングの板の向きとウッドデッキの板の向きを揃えるか交差させるかで、空間に対する視覚的な印象が変わります。
・板の向きを揃える
リビングとウッドデッキの板の向きを繋げるようにタテに揃えると、広がりのある空間を演出できます。
・板の向きを交差させる
揃えずに板の向きを交差させると、内と外の空間にメリハリをつめることができます。
■外構計画では余白を残すこともポイント
外構計画では、あえて手を加えない部分を作る「余白」もポイントとなります。費用を抑えつつ、外構に可変性を持たせることも大切です。
例えば、小さなお子さまがいる場合、一緒に庭いじりをしたり外構をつくっていくことが良い思い出になりますよね。外構の考え方は間取りと一緒で、しっかり目的を持った上で余白を残し可変性を担保しておくことも大切です。
ただし、むやみに余白を残すのとは意味合いが変わってきますので、線引きを明確にしておいてくださいね。
全4回に分けて、外構計画についてお伝えしてきました。
少し長くなりましたが、外構計画に関するノウハウを詰め込みましたので、家づくりの参考にしていただければと思います。