太陽ハウジングの家づくりコラム
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2024.02.15
【注文住宅の超基本】高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」#1断熱編
こんにちは、太陽ハウジングです。
今回は、2月8日公開のコラムの続きとして、高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」の断熱編をお届けします。
▼2/8公開のコラムはこちら
【注文住宅の超基本】鉄骨造の住宅向けの立地、木造の住宅向けの立地とは? 鉄骨と木造のメリットデメリットを解説
■健康な家づくりとは?
健康な家づくりというのは、高気密高断熱の家づくりということです。
例えば、季節の変わり目で風邪をひく人って結構いると思います。
これは急な温度変化に体がついていけず体調を崩してしまうわけです。
高齢者になると温度変化に耐えきれず、ヒートショックを起こしてしまい最悪亡くなってしまう場合もあります。
つまり一年中温度変化の少ない家を作ることこそ、人の健康に直結するということです。
そして一年中温度変化の少ない家を作るためには「高気密、高断熱な家づくり」が必須となります。
■高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」
では、高気密高断熱な家づくりをするためにどうしたら良いのか?
それは4つのステップを段階的にクリアして家づくりを行う必要があります。
必ず1、2、3、4の順番で家づくりをしてください。
(1を飛ばして2から始めるというのはNGですので、ご注意ください!)
- 断熱
- 気密
- 換気
- 空調
この1~4の順番で家づくりをすることが重要で、この順番で家づくりを行うことで高気密高断熱の家づくりができるようになります。
では、それぞれ説明していきます。
1.断熱
断熱とは、外気の影響をどれだけ受けにくくするかを言い換えた言葉です。
日本の古い住宅は、ほとんど断熱対策がされておりません。
分かりやすく例えると、「薄着で痩せ我慢している状態」です。
2011年東日本大震災の影響により原子力発電が止まり、昨今の物価高による電力高騰などで節電や省エネに対する意識が高まり、高断熱住宅によって暖房にかかるエネルギーを節約しようとする動きから、「ちゃんと上着を着て暖かくしよう」という流れになりました。
例えば、ダウンコートの暖かさは「素材×暑さ」で異なります。綿より羽毛のほうが暖かいですが、暑さ1センチの羽毛より厚さ5センチの綿では、綿のほうが暖かい場合もあります。住宅の断熱も同じで、暖かさは「断熱材×暑さ」で変わります。
また、上はダウンコートを着ていても、下が裸足で短パンであれば体感温度は低くなります。冬を快適に過ごすためには、靴下や長ズボンも必要ですよね?
住宅も同じで壁や屋根の断熱だけでは不十分です。床や窓などの断熱が弱くなりがちな部分も含め、家全体をまんべんなく断熱することが重要です。
ただ、断熱性能は、断熱材の種類や工法でも変わります。さまざまな種類の断熱材や工法があるため、難しいと感じたらシンプルに考えて、断熱材の厚さが厚ければ暑いほど、夏は涼しく冬は暖かくなるので、断熱材は出来るだけ厚くしましょう。
■断熱等級の最高等級が「7」に引き上げ
2022年10月から断熱等級の最高等級4だったのが、等級7に上限が引き上げになりました。
つまり北海道で建てるような家を、本州エリアで建てましょうという基準改正です。
省エネ性能が高く地球環境にも配慮したお財布に優しい家づくりをしましょうということです。
■国の基準である「断熱等級」とは?
断熱等級7(HEAT20 G3相当)
熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている
断熱等級6(HEAT20 G2相当)
熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている
断熱等級5(ZEH基準)
熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている
断熱等級4(次世代省エネ基準)
熱損失等の大きな削減のための対策(「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の規定による建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準に相当する程度)が講じられている
平成28年に制定された基準(通称「次世代エネ基準(28年基準)」)に適合する程度のエネルギー削減を得られる対策を講じた住宅
断熱等級3(新省エネ基準)
熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている
平成4年に制定された基準(通称「新省エネ基準(4年基準)」)に適合する程度のエネルギー削減を得られる対策を講じた住宅
断熱等級2(旧省エネ基準)
熱損失の小さな削減のための対策が講じられている
昭和55年に制定された基準(通称「旧省エネ基準(55年基準)」)に適合する程度のエネルギー削減を得られる対策を講じた住宅
断熱等級1
その他(断熱に関する特別な対策や配慮なし)
■「省エネ住宅適合(断熱等級4)」の義務化
2025年4月から着工するすべての新築住宅に「省エネ住宅適合(断熱等級4)」が義務化されます。
さらには2030年には義務化の基準が「ZEH基準(断熱等級5)」へ引き上げられる予定です。
つまり、2025年4月からは断熱等級3の建物、2030年以降は断熱等級4の建物は「新築住宅として建てちゃダメですよ」ということです。
この断熱等級の制度改正は、ガラケーからスマホになるくらいインパクトの強い制度改正です。
気をつけたいのは必ずしも「基準を満たしている=良い家」ではないということです。
義務化されるのは最低基準です。
「今のままで充分です」
「断熱材を厚くするのはオーバースペックです」
「うちは基準を満たしています」
「その基準の数値はクリアしていないけど、うちは〇〇工法なので大丈夫です」
そんな話を鵜呑みにしてしまうと、新築にもかかわらず型落ちになっている可能性があります。
■時代にマッチした家づくり
住宅業界は過渡期です。約1年後そんな状況があるのに、今ガラケーを買ってしまわないように注意する必要があります。
何千万円というお金を出すなら、少しでも日々の生活が快適になるような、時代にマッチした家を建てたいものです。
これから家づくりをするという方は、断熱材は出来るだけ厚くしてください。
具体的に言うなら、東北北海道仕様で家を建てることをおすすめします。
仕事でも何でもそうですが、予測できるなら何事も先回りして行動することが重要ですよね。
次回のブログでは、高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」の気密編をお届けします。
ぜひ参考にしてみてくださいね。