太陽ハウジングの家づくりコラム
- TOP>
- 家づくりコラム
2023.06.29
失敗しないための「玄関づくりのポイント①」を解説!
こんにちは、太陽ハウジングです。
注文住宅を新築する際に、プランや仕様等で、特に力を入れたほうが良いのは、どの場所だと思いますか?
その答えは、リビング、玄関、トイレの3つです。
リビングは家族が集まる場所なので、重要だと考える方も多いかもしれませんが、玄関とトイレは(なぜ?)と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
リビング、玄関、トイレに共通するのは「家族以外の人が目に触れる機会が多い」ということです。
例えば、友人の家に行ったとき、玄関がゴチャゴチャしていたら…どのように感じるかを想像してみるとわかりやすいかもしれません。
玄関と同様にリビングとトイレも、家族以外の目に触れる機会が多いからこそ、何かしらの工夫が必要になるでしょう。
そこで今回は、玄関にフォーカスして、失敗しないための玄関づくりのポイントをお伝えします。誰にでも簡単に使える内容になりますので、是非家づくりの参考にしてみてください。
■玄関はお客さまをお迎えする場所
玄関は家の顔です。家族はもちろん、お客さまをお迎えする場所なので、快適に過ごせる工夫が大切です。
よくある失敗例は…
「狭くて暗い玄関になってしまった」
「仕事のカバンやベビーカーを置く場所がない」
「夏は暑くて玄関の居心地が悪い」
「冬は寒くてスリッパを履かないと玄関にいられない」などたくさんあります。
そして、玄関は片づけやすくてスッキリ見えるのもポイント。
突然の来客でも片付いている、理想の玄関づくりをしていきましょう。
■玄関ドアの断熱が配慮されているか
もしかすると(えっ!?)と驚かれている方も多いかもしれません。意外な盲点ですよね。窓の断熱性能を気にする方は多いですが、玄関ドアの断熱性能を気にする方は少ないと思います。
ほとんどの方は、玄関ドアを選ぶ際は、断熱性能より見た目のほうにいってしまいがちです。
実は玄関ドア自体にも断熱材が入っているものの壁の中の断熱材と比較したら厚さはずいぶん違います。
玄関ドアの断熱材は壁の中の断熱材の厚さと比較すると半分以下です。
窓サッシの数値と比較することで、玄関ドアの断熱性能は、より分かりやすくなります。
(最近よく表記されている)熱貫流率(UA値)で説明するなら、以下の通りです。
・高断熱樹脂サッシ(トリプルガラス)0.78W/㎡K
・高断熱樹脂サッシ(複層ガラス)1.27W/㎡K
・高断熱アルミ樹脂複合サッシ(トリプルガラス)0.98W/㎡K
・高断熱アルミ樹脂複合サッシ(複層ガラス)1.44W/㎡K
・アルミ樹脂複合サッシ(複層ガラス)2.33W/㎡K
・アルミサッシ(複層ガラス)3.49W/㎡K
では、玄関ドアの場合はどうでしょうか。
片開きで採光窓が一切ないもので1.79~2.04W/㎡K、
採光窓付きの玄関ドア、片袖や両袖の玄関ドアの場合、2.0 W/㎡K超えは当たり前、採光窓が大きい場合3.0 W/㎡K超えのアルミサッシと同等の断熱性能の玄関ドアも存在します。
このように比較すると、玄関ドアの断熱性能が劣っているのは明白ですよね。
実は玄関ドアの断熱って盲点ですが、地味に重要な部分でもあったりします。
当然、各メーカーから高断熱玄関ドアという商品は販売されております。
ただ、断熱性能の向上にともない、玄関ドアの金額も上がるため、お財布との相談になります。
玄関ドアの断熱性能を知って選ぶのと知らないで選ぶのは心持ちが違うと思います。
「選んだ玄関ドアの断熱性能で良いのか?」
「それともグレードアップが必要なのか?」
しっかりと考えて玄関ドアを選ぶようにしましょう。
建物形状にもよりますが、玄関は思っている以上に暑くも寒くもなりますので、ご注意ください。
■換気が配慮されているか
ここでお話する玄関の換気の目的は「ニオイ対策」と「温度対策」です。
「ニオイ対策」
玄関、特にシューズクロークの中は思っている以上にニオイがこもりやすくなります。
普段、革靴を履くお父さんの革靴の臭いや、お子さまの年齢によっては靴自体が汗臭くなってしまうこともあると思います。そういう意味でシューズクロークの中を換気できるように対策をしておいたほうが良いでしょう。
「温度対策」
換気は空気を入れ替えることですので「換気をすることによって温度対策になるのか?」という部分で、換気と温度対策は関連性があるので説明します。
まず家の換気をする場合、「給気口」と呼ばれる外気を取り入れる穴と「排気口」と呼ばれる室内の空気を外に排出する穴の2つを取り付けます。
排気口から室内の空気を外に排出する際に、排気口がある部屋の気圧が下がります。その部屋の気圧が下がると、負圧となり気圧を元に戻そうと給気口から空気が入り空気が動くことになります。これを上手く活用することで、隣接するLDKの暖かい空気や涼しい空気を玄関まで引っ張ることが可能になります。
その結果、多少ですが玄関の温度を暖かくしたり涼しくしたりすることができます。
あくまで多少ですから、暖かい空気や涼しい空気を完璧に玄関に引っ張ってくることはできませんが、玄関に排気口を設けることで室内の温度差を緩和しつつ、冷暖房効率を上げることができます。
■段差を考慮しているか
段差というのは上がり框(かまち)の高さになります。
上がり框とは、玄関の上り口部分の化粧材になります。摩擦によりすり減りにくい硬い木材が使用されます。上がり框の役割は、摩擦に耐えられるだけではなく、家の外と内の空間を分ける、靴を履くときに座れる場所などです。
この上がり框の高さを調整することで、玄関の雰囲気を変えることが可能です。
一般的に一戸建てであれば18センチ以下が多く、腰をかけて靴を履くことができますが、高さがある分、圧迫感や玄関自体が狭く感じてしまうこともあります。
上がり框を10センチの高さにした場合、家の外と内の空間に繋がりが生まれ、玄関が広く感じやすくなります。ただ、腰をかけて靴を履くことは困難になるかもしれません。
上がり框の高さに正解はありませんが、高さを調整することによって玄関の見た目や使い勝手を変えることができます。
個人的には玄関で座って靴を履く習慣があまりない場合は、上がり框の高さを低く設定して玄関自体を広く感じられる工夫を取り入れたほうが良いかなと思います。
■収納が確保されているか
玄関は家の顔であり、重要な「収納スペース」でもあります。
家族構成やライフスタイルによって異なりますが「家族全員で靴が何足あるのか?」を把握しておくことはもちろん、他にも収納しておくモノを考えておくことが大切です。生活をイメージした上で収納量を決めてください。
例えば
「コートを掛ける」「仕事のカバンを置く」「ベビーカーを置いておく」「キャンプ用品」や「捨てるダンボールの一時的なストック」など具体的に書き出してみることをオススメします。
■照明の明るさが適切か
照明計画をするときは明るくすれば失敗しないと思いがちですが、照明計画はそんな簡単ではありません。
人の目というのは、何かを基準として「明るい」「暗い」を判断します。
自宅に帰ってきたときは、玄関から入ることがほとんどですよね。そのときに目に入る玄関の照明の照度が、その人の明るさの基準になります。
玄関で決まった明るさの基準が高ければ高いほど、それ以上の明るさがないとメインの空間であるLDKが暗く感じてしまうのです。
照明計画をする場合、LDKの明るさを100として考え、その数値を下回るように玄関やトイレなどの照明を計画していくことが重要になります。
もちろん、家の中の照明計画を100で考えて、すべて明るい空間にしたいということであれば考えなくても良いですが、
「落ち着きのある空間にしたい」
「暗がりの中に美しさを感じる空間を作りたい」
「SNSで見かけるおしゃれ玄関にしたい」
と思われる方は、LDKの照度を100として、玄関やトイレ、廊下などの照明をLDKの100を下回るように照明を考えるようにするのがおすすめです。
■素材を意識しているか
玄関の土間部分は「タイル仕上げ」というイメージがあると思いますが、タイル以外の仕上げに変えることできれいにできる方法があります。
それは「土間仕上げ」にすることです。土間仕上げは、砂や砂利で作られている自然素材のため無垢床や突板との相性が良く、意外と安っぽく見えません。
ただし、土間仕上げは必ず多少のヒビ割れができてしまいますので、それを一つの味としてとらえる必要があります。
タイル仕上げ、土間仕上げなどありますが、使う素材を意識しつつコストと見た目のバランスを考えて選択するようにしてみてください。
■玄関の正面を意識しているか
玄関の正面に何がくるかも大切です。玄関に入ってすぐ目の前に扉というプランを見かけますが、壁を活かすデザインを考えてみるのもおすすめです。
以前もご紹介しましたが、壁は最大のインテリアになります。
壁を残すことで玄関の美しさを表現するのにコストがかからず手っ取り早い方法になります。
玄関に入って正面の壁にスポットで照明をつければ、それだけでおしゃれに演出できます。
また、玄関正面に窓を設けて抜け感を出すなど、玄関に入って正面の壁が意識されているかどうかで意匠が決まってきます。
建物プランを見たときに、玄関入った正面がどのような見た目になるのか立体的にイメージして善し悪しを判断してみてくださいね。
次回のブログもお楽しみに!