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2023.08.10

断熱性能を上げるばかりでは良い家はできない!?②

こんにちは、太陽ハウジングです。

 

今回は「断熱性能をあげるばかりでは良い家はできない」の第二弾をお届けします。

前回のコラム「断熱性能をあげるばかりでは良い家はできない①」で窓をメインに解説しましたが、今回は「日射取得」と「日射遮蔽」について説明します。

 

前回のコラムはこちら→https://www.taiyo-co.com/blog/52214.html

 

■日射取得、日射遮蔽とは?

日射取得と日射遮蔽と聞くと何だか難しそうなワードに感じられるかもしれません。

 

まず、日射取得とは、窓ガラスを透過して太陽の日差しが室内に入ること。

そして、日射遮蔽とは、窓ガラスを透過する太陽の日差しを遮断することです。

ちなみに、「日射」は太陽の日差しのほか、地表面からの照り返しも含みます。

 

この日射取得と日射遮蔽を上手くコントロールすることが「日差しとの上手な付き合い方」ということになります。

 

■断熱性能が高い家は「水筒」と同じ

前回のコラムで断熱性能の高い家を「水筒」に例えました。

 

水筒は、常温の水を水筒に入れても冷たくなったり暖かくなることはありません。冷たい水を入れれば冷たさは維持され、温かい水を入れれば保温されます。

 

断熱性能の高い家は、部屋が一度暖まるとなかなか室温が下がらず、部屋が一度冷えるとなかなか室温が上がりません。

 

要するに、夏は室温が上がらないように保つこと、冬は室温を下げないようにすることが重要になります。

 

■日差しとの上手な付き合い方

日差しを味方にして上手に付き合っていくコツは、南側の窓を大きなものにして日射取得を多くすることです。ただし、南側の窓を大きくした場合、夏は室内に太陽光が入らないようにする工夫が必要です。

 

また、冬は室内に太陽光が室内に入る工夫が必要です。

 

具体的な方法は…

・軒を長くする

・庇を付ける

・2階持ち出しプランにする

 

ただし土地の立地条件や建物形状で軒は長くできない、家のデザインとして考えたときに庇は好きじゃない、いまさらプランは変えられないという方もいらっしゃるでしょう。

 

そこでオススメなのは、

「遮熱型の外付けスクリーン」。

LIXILのサンシェードや、セイキのサングッド等があります。

 

サッシに直接付けられたり、軒天にも設置ができますので、家の外観を損なうことなく日射遮蔽を行うことができます。

 

「南面に落葉樹を植える」

落葉樹は、毎年すべての葉が生え変わる樹木です。春の花を楽しむサクラや秋の紅葉を楽しむカエデやモミジが落葉樹として有名です。

 

落葉樹は、葉が生い茂る夏場には太陽光が住宅の外壁を熱したり、太陽光が窓から侵入してしまうのを防いでくれます。冬場には落葉樹の葉は紅葉したのち、地面に落ちてしまうため、角度の低い冬の太陽光を住宅内に取り入れることが可能になります。

 

葉や花が落ちることから、掃除を気にされる方もいらっしゃいますが、日々の生活のストレス軽減や四季を実感できるシンボルツリーとしてもオススメです。

  

■日射取得と日射遮蔽の効果効率的に取得する方法

①南側の窓を大きくして東西北側の窓を小さくする

南側の窓を大きくすることで、冬の日射を効果的に入れることができます。また、さきほどご紹介したとおり、夏は日射を遮蔽する方法もあるため、南側の窓は大きくすることが一般的です。

 

その分、東側と西側からの夏の日射遮蔽が難しいためなるべく小さくし、反対に北側は日射取得が難しいので小さくします。

 

断熱から考えると北側の窓をつけないという選択肢もありますが、太陽の動きに左右されない安定した採光が確保できるため、北側にも窓をつけるメリットもあります。

 

②南側の窓を断熱タイプ、東西北側の窓を遮熱タイプにする

窓ガラスのタイプには、「断熱タイプ」と「遮熱タイプ」が選べるものもあるため、窓の向きに応じて使い分けると効果的です。

 

まず、「断熱タイプ」とは、強い日差しをカットし、エアコンの冷気や暖気を逃しにくいという特徴があります。

そして、「遮熱タイプ」とは、日差しをほどよく取り入れつつ、エアコンの冷気や暖気を逃しにくいのが特徴です。

 

そのため、南側の窓は断熱タイプで日差しをカットし、東西北側の窓は遮熱タイプで日差しを取り入れるようにすると効果的な日射取得、日射遮蔽ができます。

 

■日射のシミュレーションもおすすめ

自分の建てる土地や、これから建築する建物の日の入り方のシミュレーションをしてみようという方は、住宅性能診断士ホームズ君シリーズの「日当り君 」がおすすめです。

 

スマホアプリでも太陽の場所や軌跡が表示されるものもありますので、参考にしてみると良いかもしれませんね。

 

太陽ハウジングでは、経験豊富な設計士がおりますので、軒や庇などの長さから日射取得・日射遮蔽の計算やシミュレーションができますので、ご相談ください。