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2023.11.30
外構計画で注意するべきポイント #3|アプローチ・フェンス編
こんにちは、太陽ハウジングです。
外構計画のコラム3回目は「コストを減らす外構計画」のアプローチ・フェンス編をお届けします。
外構計画の連載はこちら↓
「外構の意匠性を向上させるポイント」についてもコラムで解説しています。
1回目「玄関ポーチ」の記事はこちら
2回目「植栽」の記事はこちら
■外構計画のコストを減らす方法
コストを減らすためには「安全性」「デザイン性」「耐久性」の3点を軸に外構計画を行うことです。
この3つの視点を抑えておけば、コストをかけない最低限の外構計画でも、失敗は避けられるはずです。
では、安全性、デザイン性、耐久性の3点を軸に、今回は、アプローチとフェンスの注意するべきポイントをお伝えします。
■アプローチの注意するべきポイント
アプローチは特に「安全性」と「耐久性」に注力しましょう。
アプローチは「家の顔」ともいえる部分にあたるので、デザイン性にも力を入れたいところですが、今回は「コストを掛けずに」をテーマとしておりますので、安全性と耐久性に注力してアプローチを考えていきます。
アプローチにおける安全性と耐久性のポイントは1つです。
それは「歩いているときに滑らないようにする」という前提で考えることです。
アプローチは人が歩く場所です。歩く場所が安全でなければならないのは当たり前で、そこに耐久性がなければ安全とは言えません。
外構計画を提案されるときは、どうしても見た目ばかりを考えてしまいがちですが、アプローチについては、歩いているときに滑らないようにするということを意識してみてください。
■アプローチを安全にするためには?
アプローチを安全に、滑らないようにする工夫は2つあります。
・洗い出し仕上げのアプローチにする
・刷毛引き仕上げのアプローチにする
その他、タイルでアプローチを仕上げる方法もありますが、割高になるので今回は省きます。
・「洗い出し仕上げ」のアプローチとは?
「洗い出し仕上げ」というのは、伝統的な左官方法になります。
コンクリートに化粧砂利などを混ぜて塗り、コンクリートが固まる前に表面を洗って化粧砂利を表面に露出させる手法です。
メリットとして、洗い出し仕上げは表面が砂利で凸凹しているので、雨の日でも滑りにくく、高級感を演出できるので、デザイン性アップにも効果があります。
また、和風や洋風にも寄せることができるので、どのような外構を作りたいのかシーンに合わせてデザイン性を決めることができます。
デメリットは、施工する職人によってクオリティに差が出るということです。
洗い出し仕上げは、施工する当日の天候や気温湿度、砂利の大きさや水分量によってムラが出やすいため、余計に職人さんの腕や勘に左右されてしまいます。
また、洗い出し仕上げは経年変化の影響を受けやすく、ボロボロ砂利が剥がれてきます。
・「刷毛引き仕上げ」のアプローチとは?
土間コンクリートの仕上げ方法には、以下の仕上げがあります。
「金鏝仕上げ(かなごてしあげ)」
「刷毛引き仕上げ(はけびきしあげ)」
「洗い出し仕上げ」
「スタンプコンクリート」
「塗装仕上げ」
それぞれの仕上げ方法のメリット・デメリットを簡単にお伝えします。
〇金鏝仕上げ
コンクリートの表面をツルツルスベスベの状態に仕上げる方法です。
・メリット
コンクリートの表面がなめらかなため、掃き掃除や散水による掃除がしやすい。
見栄えが良い
・デメリット
雨や雪で滑りやすい
〇刷毛引き仕上げ
コンクリートが乾く前に表面を刷毛引きして、ザラザラに仕上げる方法です。
・メリット
滑りにくい
・デメリット
刷毛の間にゴミやホコリがひっかかり掃除がしにくい
〇洗い出し仕上げ
先程もお伝えしましたが、コンクリートに砂利を混ぜ、コンクリートが固まる前に表面を洗い流して砂利を出す仕上げです。
・メリット
見栄えが良い
デザインが豊富
滑りにくい
・デメリット
金鏝仕上げ、刷毛引き仕上げより高い
経年劣化により砂利が取れる可能性がある
〇スタンプコンクリート
コンクリートの表面に色を付け、スタンプのように型を押し付けて木目やレンガのような模様に仕上げる方法です。
・メリット
大理石や木材などデザインが豊富
見栄えが良い
・デメリット
人や車の摩耗で次第に色が薄れる
工事コストが高い
〇塗装仕上げ
コンクリートに専用の塗料を塗って仕上げる方法です。
ガレージなどで使われます。
・メリット
見栄えが良い
汚れに強い
・デメリット
経年劣化により塗装が剥がれる
他にも土間コンクリートではなく、石やタイルでアプローチを仕上げる方法もありますが、コストがかかるので今回は割愛します。
このように、土間コンクリートの仕上げ方法1つとっても様々な仕上げ方法があります。
今回の「コストを掛けない外構計画」をテーマとすると、長期的な目線で考えて安全性と耐久性のある「刷毛引き仕上げ」がおすすめです。表面がザラザラとしていて雨や雪の日でも滑ることがないのが安心ですね。
■フェンスの注意するべきポイント
フェンスを設置する主な目的として「敷地の境界を囲う」「視線が気になるので目隠しをする」「おしゃれに見せる」などがあります。
それぞれ目的に合わせて、フェンスの種類もさまざまです。
例えば、メッシュフェンス、目隠しフェンス、木目調フェンス、ポリカーボネートフェンス、縦格子・横格子フェンスなど各メーカーから少なくとも1000種類以上のフェンスが販売されています。どのようなフェンスがあるか知ることが、満足のいく外構計画を行うため重要な要素になるでしょう。
今回のテーマ「コストを掛けずに外構計画をする」ことに着目すると「通気性の良いメッシュフェンス」を選ぶのがおすすめです。
メッシュフェンスは安全性、デザイン性、耐久性のすべてが備わっており、お手頃価格です。
例外として、大きな通りに面しているなどの「視線を遮る必要がある立地」の場合は、視線を遮りつつ、通気性を保つ強度があるかという視点でフェンスを選ぶと良いでしょう。
フェンスは設置後、特にメンテナンスが必要ないものですが、唯一、メンテナンスが必要になるとき、それは強風や、物が当たって壊れたときです。特に台風の多い地域は注意が必要ですね。
また、(フェンスに限ったことではありませんが)外構工事を依頼する会社によって、安く仕入れられるメーカーは異なることが多いです。
施工会社によって得意なメーカーが違うので、LIXIL・三協アルミ・YKKAPのカタログの中から似た商品を選んで、見積もりをもらうのが最適解でしょう。
■フェンスをしない外構計画を検討する
もう1つおすすめなことは「極力フェンスを設置しない外構計画」をすることです。
理由としては「コスト削減」と家の中から眺める「景色のクオリティを上げる」ためです。
フェンスを設置しない外構計画を行う場合、外構の完成をイメージしながら間取りを作ることになります。この間取りの場合はどのような見え方になるのか、外から家を見たときと家の中から庭を見たときの両方を考える必要があります。
家の中から見る空間クオリティを上げるために、コストを下げるという意味でも、家づくりをする方は、家と庭の繋がりを意識して間取りを作ってみてください。
次回、外構計画のコラム4回目では「デッキ」についてご紹介します。