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2024.02.29
【注文住宅の超基本】高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」#3換気編
こんにちは、太陽ハウジングです。
今回は、2月22日公開のコラムの続きとして、高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」の換気編をお届けします。
▼2/22公開のコラムはこちら(https://www.taiyo-co.com/blog/55930.html)
【注文住宅の超基本】高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」#2気密編
■健康な家づくりとは?
『 健康な家づくり = 高気密高断熱の家づくり 』
季節の変わり目、多くの人が体調を崩します。これは、急激な温度変化に対応できず、体がストレスを感じてしまうためです。特に高齢者は温度変化の影響を受けやすく、ヒートショックを引き起こすリスクも高まります。最悪の場合、命に関わる事態にも発展しかねません。
つまり、健康を守るためには、一年を通して温度変化が少ない快適な住環境を実現することが重要です。そして、それを実現するために最適なのが、高気密高断熱の家なのです。
高気密高断熱の家は、外気の影響を受けにくいため、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持できます。
室温が安定することで、体に負担がかかりにくくなり、風邪やヒートショックのリスクを軽減できます。
さらに、光熱費の節約にもつながります。
■高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」
では、高気密高断熱な家づくりをするためにどうしたら良いのか?
それは4つのステップを段階的にクリアして家づくりを行う必要があります。
必ず1、2、3、4の順番で家づくりをしてください。
- 断熱
- 気密
- 換気
- 空調
この1~4の順番で家づくりをすることが重要で、この順番で家づくりを行うことで高気密高断熱の家づくりができるようになります。
1番目の断熱をしっかり行うことで、2番目の気密の効果がより高まります。
(1を飛ばして2から始めるというのはNGですので、ご注意ください!)
では、前回の続きとして「換気編」をお伝えします。
3.換気
換気とは、室内の古い空気を新鮮な外気と交換すること、家の中の空気を「新鮮に保つ」ための手段です。
ほとんどの方は「窓を開ければ換気になるよね?」とか「換気の何が重要なの?」と思われるかもしれません。
そのお気持ちは分かりますし、換気なんて適当に考えても問題ないと思えてしまうのも理解できます。
実は、住宅における換気は適当に考えても問題ないというわけではありません。
住宅における換気には、
- 塵やホコリを外に排出してくれる効果
- においを外に排出してくれる効果
- 二酸化炭素濃度を下げてくれる効果
- 室内の湿度を取り除いてくれる効果
の4つの効果があります。
換気の重要性を理解するために、4つの効果について詳しく説明します。
- 塵やホコリを外に排出してくれる効果
室内は人やペットの活動や外部からの持ち込みなどにより、塵やホコリが常に発生しています。これらはアレルゲンや微生物の媒介となり得るため、室内環境に直接影響を与えます。換気により塵やホコリを効果的に室外に排出することができます。
これによりアレルギー反応や呼吸器系の疾患リスクを減少させ、室内の健康環境を維持することが可能です。
フィルターを備えた換気システムを使用すること、細かい粒子を捕捉し清潔な空気を確保できます。
- においを外に排出してくれる効果
調理、ペット、タバコの煙、化学物質の使用(家具家電の接着剤など)不快なにおいを発生させます。これらのにおいは室内の長期間にわたって室内に滞留することがありますので、換気によって不快なにおいを室外に排出し、新鮮な空気を取り込むことで室内環境を快適にすることができます。
- 二酸化炭素濃度を下げてくれる効果
人は呼吸すると酸素を消費して二酸化炭素を排出します。人が多いほど、また活動が活発であるほど二酸化炭素濃度が上昇します。高濃度の二酸化炭素は頭痛、疲労、集中力の低下など悪影響を及ぼす可能性があるため、換気によって室内の二酸化炭素濃度を下げ、新鮮な空気を供給することができます。
- 室内の湿度を取り除いてくれる効果
調理、洗濯、入浴などの日常活動は室内の湿度を高める原因となります。過剰な湿度は結露、カビの成長、ダニの増加など人の健康だけでなく建物にも悪影響を及ぼしますので、換気によって余分な湿気を室外に排出し室内の湿度を適切なレベルに保つことができます。
また、換気が上手く機能していないと、今お伝えした反対のことが起きることになります。
- 塵やホコリが溜まりやすい ②夕飯の匂いが翌朝になっても残っている ③二酸化炭素濃度が上がり集中力が低下する、睡眠の質が下がる ④湿気が下がりにくい室内環境になる
このようなデメリットが発生します。この説明をみただけでも換気が重要だということが分かると思います。
換気と気密の両方が重要
ただ、換気は換気単体では効果を発揮することができません。気密が取れている状態でないと、きちんとした換気ができないわけです。
これがどういうことなのか説明します。
住宅には外気を取り込むための給気口と、室内の空気を外に排出するための排気口があります。給気口から排気口に向かって空気が流れることで換気ができます。
ただし、気密が悪いと色々なところから隙間風が入ってきてしまいます。その結果、気流が乱れて上手く換気ができないということになります。
先程も説明したとおり「塵やホコリが溜まりやすくなる」「においを外に排出できない」「二酸化炭素濃度が上がり集中力が低下する」「睡眠の質が下がる」「湿気が下がりにくい室内環境になる」などのデメリットが発生してしまいます。
特に湿気に関しては、気密と換気の両方が上手くできていないと、なかなか除湿することができません。
夏に感じる不快感にも気密が有効
例えば、夏場で室内の湿気が高いと感じたときに「除湿したい」と思いエアコンを使った方も多いと思います。
エアコンの除湿機能を使うと、湿度は下がるものの温度も下がってしまい、室内が冷えすぎてしまった経験はありませんか?そこでエアコンの除湿機能を切って、冷房運転にすると、また湿度が上がってしまうわけです。最終的にはどうすることもできないので、湿度が高くて不快感を覚えながらも我慢するしかなくなります。夏場のエアコンでこのようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
これは換気がうまくできていないから起きることです。本来、換気が機能していれば湿度のベースラインが下がり、空調が効きやすくなります。つまり湿度のコントロールがしやすくなるのです。
快適な環境を保つための湿度とは?
ただし、上手く換気が出来ていないと、湿度をコントロールすることができません。室内で不快感を感じるのはもちろん、カビやダニ、ノミ、ゴキブリこれらが発生しやすくなってしまいます。
湿度70%~100%の状態だと、カビ、ダニ、ノミ、ゴキブリなどが活発に活動するといわれています。人体に有害な虫や菌を発生させずに快適な環境を保つには、夏は体感温度27℃/相対湿度60%、冬は体感温度21℃/相対湿度50%、この温湿度に留めておくことが良いとされ、それを保つために換気が必要になります。
換気だけではなく気密がしっかりしている(具体的にはC値1㎠/㎡以下)必要があり、気密がしっかりしていても断熱が上手くできていないと外気の影響を受けてしまうことになります。
よって、断熱⇒気密⇒換気の順番で家づくりをすることが重要になります。
1年を通じて室内の温度変化あまりなく、湿度を50%以上60%以下に留めておくことが高気密高断熱住宅を作る上で大切なことです。
換気は適当に考えず、しっかりと選び、効果のある設備を採用しましょう。
次回のブログでは、高気密高断熱の家づくりへの「4つのステップ」の最後の空調編をお届けします。