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2024.07.18

【地盤改良工事・地盤保証とは?】地盤の強い土地の選び方や液状化リスクの対策とは?

こんにちは、太陽ハウジングです。

地震に強い家というのは、建物だけで決まるわけではありません。家を建てる土地も重要で、その土地の地盤も大きく影響してきます。地盤は建物の基礎の下にあるため、非常に大切です。

今回は、地盤を強くするための地盤改良工事、地盤保証について説明します。また、建物の性能を充分に発揮するための地盤が強い土地を見つけるためのポイントもご紹介します。

「地名で調べる」「データで調べる」など、さまざまな方法や考え方があると思いますが、このあたりの結論の説明のほか、能登半島地震で起きた液状化現象の対策も含めて、皆さんに詳しくなっていただこうと思います。

地盤改良工事・地盤保証について

まずは、地盤改良工事や地盤保証について説明します。

地盤改良工事は建設地の地盤が弱い場合に行う工事で、建物を安全に支えるために地盤を補強します。住宅の基礎となる地盤を適切な状態にする(地盤を強くする)工事が「地盤改良工事」です。

地盤が弱いと、地盤の一部が歪み沈下することにより建物が不均一に沈下して傾いてしまう「不同沈下(不等沈下とも言われます)」が発生する可能性があります。不同沈下は発生すると、窓やドアの開け閉めに支障が出たり、雨漏りや隙間風の原因となったりします。他にも、人によっては頭痛やめまいを引き起こすこともあります。

よく似た言葉として「地盤沈下」があります。等沈下とも言います。

地盤沈下は、地盤が均等に沈下する状態のことで、建物の沈下も均等に生じます。そのため、建物に傾斜は発生しません。

一方、不同沈下の場合、地盤の一部のみが沈下することにより、建物が不揃いに沈下し建物に傾斜が生じるという違いがあります。

この不同沈下を防ぐための工事が地盤改良工事で、不同沈下により傾いてしまった地盤や建物を元に戻す費用を長期にわたって保証するのが地盤保証になります。

地盤保証が有効になる家の傾きは1000分の5以上です。つまり1メートルで5ミリの沈下があれば家が傾いているとなり、地盤保証の対象になるということです。

角度にすると0.29度です。わずかな角度に見えますが、人間はこの角度で傾きを感じると言われています。

地盤改良工事の種類

地盤改良工事には、「表層地盤改良工法」、「湿式柱状改良工法」、「小口径鋼管工法」の3種類の工法があります。

・表層地盤改良工法

深さ2mほど土を掘りながら固化材を入れて、土と固化材を混ぜ合わせることで地盤を強固にする方法で、軟弱地盤が地表から浅い場合に有効です。

湿式柱状改良工法

地中を掘削しながらセメント系固化材(水を混ぜて泥状にしたセメント)を注入して固め建物を支えます。簡単にいうとコンクリートの柱を何本も注入して地盤を強固する方法で、軟弱地盤が地表から8メートルくらいまで続く場合に有効です。

・小口径鋼管工法

鋼管杭を回転させながら支持層まで杭を埋め込んで建物を支える工法で、8メートル以上軟弱地盤があり支持層が深いところにある場合に有効です。

いずれにしても地盤保証をする会社の指示どおりに工事を行う必要がありますので、詳しくならなくても良いかと思います。

地盤保証の期間

地盤保証の保証期間は、「10年」、長いもので「20年」の2つがあります。

保証は10年で十分?地盤は足元だからやっぱり20年?

個人の判断なのでどちらでも良いと思いますが、私が選ぶなら保証期間は10年で良いと思います。ただ、心配なら20年を付けておいても良いと思います。

地盤保証が適用される斜度は1000分の5以上傾いていることです。住宅・リフォーム紛争処理支援センターが公開されている事故データによる新築住宅の不同沈下発生率は1万棟に5棟、全体の0.05%です。データから考えると、不同沈下に遭遇する確率は非常に低いということで保証期間は10年で良いかなと思います。

(と言っても何かあったときに責任は取れませんので、地盤保証にかかる費用と相談しながらご自身の判断で決めてくださいね。)

地盤改良工事のデメリット

地盤改良工事は、建設地の地盤が弱い場合に行う工事です。建物を安全に支えるために地盤を補強し、住宅の基礎となる地盤を適切な状態にする(地盤を強くする)ための工事ですが、デメリットもあります。

主なデメリットとしては、地盤改良工事を行うことで「地中埋設物がある土地」になることです。要するに、将来的に土地を売却するときに、土地にコンクリートや鉄が埋まっているわけですから、売却価格が下がる可能性があります。

地盤改良工事はコストがかかり、土地の資産価値も下げてしまうため、必要がある場合はやむを得ませんが、不同沈下のリスクを避けるために行うことが必要です。

(資産価値を下げるなら、抜けば良いのでは?)と思うかもしれませんが、抜くのはコストも高く、施工するときより大変な作業です。もちろん多額の費用を掛けて抜く方もいると思いますが、地盤改良工事というのは出来ればやらないほうが良いと覚えておいてください。

液状化現象について

能登半島地震でも起きた液状化現象は地盤保証の対象外になります。

地震が原因なので地震保険に加入していないと何も保障されません。

地震による液状化現象で不同沈下が地盤保証の1000分の5以上傾いたらいけると思いますが、地震保険では全損ではなく一部損になります。

地震保険の適用になる全損扱いの傾きは1度、1000分の17.7、つまり1メートルで17.7ミリの傾きでフワフワして気持ち悪くなるくらいの傾きです。これくらい傾かないと地震保険の全損扱いにならないですし、そもそも火災保険の半額になります。

地震保険では、一定の条件を満たしていないと保険金が下りない「損害の程度」が決まっており、被害認定基準に応じて支払われる保険金額が変動します。

損害の程度は、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4種類に分類されます。

損害の程度によって支払われる保険金の額は、以下のように変わってきます。

「全損」

地震保険金額の100%(時価額が限度)

「 大半損」

地震保険金額の60%(時価額の60%が限度)

 「小半損」

地震保険金額の30%(時価額の30%が限度)

 「一部損」

地震保険金額の5%(時価額の5%が限度)

分かりにくいので少し具体的に説明します。

火災保険金額3000万円の場合、地震保険金額は火災保険金額の半額なので最大1500万円の支払があると仮定すると、

全損1500万円、大半損900万円、小半損450万円、一部損75万円となり、それぞれの認定基準により支払われる保険金額に大きな差があります。

また、家の傾きによる不同沈下(建物が不均一に沈下)による地震保険の被害認定基準と等沈下(建物が水平を保ったまま均等に沈下)は、どのくらいの損害と認定される具体的な基準が以下のとおりです。

「全損」

家の傾きが1度を超える場合もしくは、等沈下が30センチを超える(30cmを含まない)場合を指します。17.7/1000、1メートルにつき17.7ミリの傾き

「大半損」

家の傾きが0.8度超~1度以下の場合もしくは、等沈下が20センチ超~30セント以下の場合を指します。14/1000、1メートルにつき14ミリの傾き

「小半損 」

家の傾きが0.5度超~0.8度以下の場合もしくは、等沈下は15センチ超~20センチ以下の場合を指します。8.7/1000、1メートルにつき8.7ミリの傾き

「一部損」

家の傾きが0.2度超~0.5度以下の場合もしくは、等沈下が10センチ超~15センチ以下の場合を指します。3.5/1000、1メートルにつき3.5ミリの傾き

※家の傾きと等沈下の両方を満たす必要はありません。

このように地盤保証の規定よりも地震保険の規定が厳しいことが分かりますね。しかも地震保険金額は火災保険金額の半額です。

液状化現象は地盤保証で賄えることはできず、「地震保険に加入しているから安心」というわけではないことを知っておいてください。

地盤が強い土地を見つけるためのポイント

地盤改良工事を行うと「コストが上がり資産価値も下がる」、「地震により液状化現象が起こっても地震保険の規定が厳しく安心できない」ということを説明しました。そうなると、一番良いのは地盤が強い土地を選ぶことです。そこでここでは「地盤の強い土地の選び方」をお伝えします。

・土地の地盤データ

住宅会社が決まっているのであれば依頼してもらえばデータを調べてくれると思います。

ご自身で調べたい場合は以下にリンクを記載しておくので調べてみてください。

・地盤ネット

地盤安心マップ https://jam.jibanmap.jp/map/main.php

・ジャパンホームシールド

地盤サポートマップ https://sumaken.j-shield.co.jp/supportmap/#14,35.6939,139.7918

・ハザードマップ

ハザードマップをしっかり確認して、その土地にどのようなリスクがあるか、ある程度予測してリスク回避をしてください。

浸水被害の原因は外水氾濫と内水氾濫の2つです。

「外水氾濫」

大雨が降った際に河川の水位が上がり、そのまま平野側の市街地などに溢れ出る災害のことです。

「内水氾濫」

大雨が降った際に市街地などの排水機能が雨水を処理しきれなくなり、地上に水が溜まってしまう災害のことです。

もちろんハザードマップ上で0(色が付いていないエリア)が良いですが、ハザードマップエリアだとしても30センチもしくは50センチ未満のエリアにしておいたほうが良いと思います。

ハザードマップは、「ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)」で確認できます。

内水氾濫については「内水ハザードマップ」、外水氾濫については「洪水ハザードマップ」を確認してください。

・液状化マップ

液状化が起きる地域は予想ができていますので、地震による液状化の危険度などを地図上に表記された地震ハザードマップを確認してください。

先程のハザードマップポータルサイトに液状化の発生傾向図を設定したリンクを以下に記載しますので参考にしてください。

・重ねるハザードマップ

https://disaportal.gsi.go.jp/maps/index.html?ll=34.998644,137.029037&z=12&base=pale&ls=ekijouka_zenkoku%2C0.8&disp=1&vs=c1j0l0u0t0h0z0

液状化リスクを0にするのは難しく、どこでも液状化の被害を受ける可能性がありますが、マップを確認することでリスクが非常に高いところは避けることができます。

しっかりチェックをした上で土地を選んでいただけたらと思います。

■地盤改良についてのQ&A

Q.土地を買う前に地盤改良工事があるかないか事前に知ることはできますか?地盤改良工事費用が高くなるのが心配です。

A.地盤改良工事の有無は調査しないと分かりませんので、事前に知ることは出来ません。

地盤改良工事は調査しないと分かりません。スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)で先端がスクリュー状になっている鉄の棒に最大100kgの荷重を加えながら、地面に貫入させ、25cm貫入毎にかける重さと回転数で地盤の強さを計測する調査方法です。

このSWS試験を実施しないと地盤改良工事の有無は出ません。また、建物を建てる場所(建物の四隅と中心)でないと意味がありません。

仮契約や契約の前に資金計画をしっかり作り、後から余分な追加費用を出さないようにすることが大切ですが、地盤改良工事費用は予め確定できません。地盤データを基にして大体の予測を立て、予算を組む必要があります。具体的には、地盤データを見て特に問題がなければ50万円、少し心配なら80万円くらいの予算を見込むと良いでしょう。

(この50万円や80万円の予算を入れないハウスメーカーの担当の多いことか…)

この地盤改良工事費用を入れたら総額が高く見え、他社に負けてしまうことを避けるため、「最初から項目がない」もしくは「調査による」と書いてあるだけなど、地盤改良工事費用を入れている方は少ないと思います。地盤改良工事費用の予算取りがされているか、しっかり確認してくださいね。

Q.地名で選ばないほうが良い土地があるって本当ですか?

A.弱い地盤の可能性が高い地名はありますが、あまり気にしすぎないほうが良いですよ。

他にも「川」「沢」「谷」「沼」「波」などありますよね。水に関連したワードが感じに入っているから、地盤が弱いんじゃないか、川の氾濫があるんじゃないか、という考え方は間違ってはいないと思います。昔そんなことが多かったから、そのような地名になっているということはあるでしょう。

ただ、現代は地盤改良工事の技術も進歩していますし、川の氾濫を防ぐ工事や治水工事も進んでいますので、過度に気にせず土地を探したほうが良い気がします。もちろん避けられるなら避けても良いですが、地名にこだわりすぎると良い土地を見つけるのが難しくなることもあります。

Q.地盤調査報告書をもらったけど、見方が分かりません。

A.知っても人生の役に立たないし、これを説明できる営業担当はいないので覚えなくても良いと思います。(見方だけは説明します)

地盤調査をすると報告書がもらえますので、少しだけ見方を説明しますね。

まずは赤枠の推定土質(土の種類)を見ます。砂質土と粘性土がありますが、この2つによって数値の見方が変わります。

次に青枠の換算N値を見ます。この換算N値が粘性土の場合は3以上、砂質土の場合は5以上というのが絶対ではありませんが安全の目安とされています。換算N値が粘性土で3、砂質土で5を下回っていると地盤が弱いので地盤改良が必要というように見ることができます。

最後に緑枠の貫入深さを見ます。0.25、0.5、0.75…と深くなっています。何メートルかいったところの硬さが換算N値として出ています。

この場合、1メートルまで砂質土で換算N値5を切っているので弱いなと判断できます。1.75メートルから換算N値が11.1となるので強くなっているというのが分かります。

もちろん、この数値だけでは判断できません。換算N値がどうなのか、深さはどうなのかなどによって地盤保証をする工事内容が決まっていきます。

強い地盤なら最初から換算N値5以上だったり、今回は「3メートルで打撃」といって「これ以上は貫入できません」と止まっていますが、弱い地盤だと打撃や空転とならずズンズン入っていきます。

地盤調査報告書は、推定土質(土の種類)と換算N値と貫入深さを見て、この土地の地盤が弱い強いというのは分かるようになると思いますが、こんなことまで知らなくても良いと思うので豆知識としてお伝えしました。

今回は地盤改良工事・地盤保証などについて説明をしてきました。

太陽ハウジングには地盤改良工事のために予算が数百万円オーバーしたといことないように、土地に地盤改良工事が必要になった場合、太陽ハウジングが地盤改良工事費用を全額負担する「地盤補強無料サポート」があります。

お客さまが安心して家づくりをスタートさせるために、そしてお客さまに不安なく家づくりをしていただきたいからこそ、このような手厚いサービスをしております。

太陽ハウジングの営業スタッフが地盤補強無料サポートについて語っておりますので、ご興味のある方はみてください。