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2024.09.19

【ズボラさんシリーズ】ズボラさんがキッチンで失敗しないレイアウトとは?

こんにちは、太陽ハウジングです。

最近では、SNSで簡単におしゃれなデザインのキッチンを見ることができるようになりましたよね。デザインを重視される方も増えてきていますが、共働き夫婦が年々増加傾向にあり、時短や家事効率アップについても非常に注目を集めています。

キッチンの作業には、食材を出す、洗う、切る、加熱するなど、さまざまな種類があります。一連の流れをスムーズに進めるためには、 キッチンのレイアウトがとても重要です。

ズボラさんがキッチンで失敗しない設備や仕様【第1回目】、収納【第2回目】をお伝えしましたが、3回目はキッチンのレイアウト編をお届けします。

■キッチンの大切なポイント


まずは、キッチンのレイアウトを考える上で、押さえておきたい大切なポイントについてご紹介します。

・リビングとダイニングとの距離感
現在は、昔のようにリビング(居間)や台所(キッチン)が別々に分かれている間取りよりもなど、LDKが一体化した空間が主流となっておりますので、リビング・ダイニングとの距離感が重要です。

・作業しやすい家事動線
シンク、冷蔵庫、コンロを結ぶ作業動線「ワークトライアングル」がバランスよく配置されていると、効率よく作業をすることができると言われています。

■キッチンのタイプ(レイアウト)


キッチンにはさまざまな種類のレイアウトがあり、対面キッチンや壁付けキッチン、I型キッチン、Ⅱ型、U型、L型のほか、アイランドやペニンシュラなどがあります。
それぞれのレイアウトについてご紹介します。

・対面キッチン
キッチンがリビングやダイニングに向いているレイアウトです。家族とのコミュニケーションがとりやすく、リビング全体を見渡せるため、特に子育て世帯に人気があります。キッチンが孤立しにくく、開放的な空間を作りやすいのが特徴です。

・壁付けキッチン
キッチンが壁に向かって配置されるレイアウトです。限られたスペースを有効活用でき、キッチンが狭くてもダイニングスペースを広く確保することができます。料理に集中したい方にも向いていますが、背面に収納スペースが必要になる場合が多いです。

・I型キッチン
シンク、コンロ、冷蔵庫が一列に並んだシンプルなレイアウトです。スペースを節約でき、小さいキッチンにも適しています。ただし、作業動線が長くなる場合があるので、効率的な作業には工夫が必要です。

・II型キッチン
I型キッチンが2列に分かれたレイアウトで、作業スペースが2つに分かれています。片側にシンク、もう片側にコンロといった配置が一般的で、比較的コンパクトなスペースで作業を効率化できますが、左右の移動が必要です。

・U型キッチン
キッチンがU字型に配置されたレイアウトで、広い作業スペースが確保できるのが特徴です。作業動線が短く、効率的に調理が可能ですが、スペースを多く取るため、広めのキッチンスペースが必要です。

・L型キッチン
シンク、コンロ、冷蔵庫がL字型に配置されたレイアウトです。作業スペースを広く確保でき、ワークトライアングルを取りやすいのが利点ですが、コーナーの部分がデッドスペースになりやすいので、収納に工夫が必要です。

・アイランド型キッチン
キッチンが独立しており、島(アイランド)のようにリビングやダイニングから自由にアクセスできるレイアウトです。開放感があり、パーティーや家族での調理に適していますが、広いスペースが必要で、費用もかかりやすい点がデメリットです。

・ペニンシュラ型キッチン
アイランド型に似ていますが、片側が壁に接しているレイアウトです。比較的スペースを取らずに開放感を得られるため、アイランド型よりも採用しやすいですが、収納や動線に工夫が必要です。

それぞれのレイアウトにメリットがあるのですが、ズボラさんには、対面キッチンがオススメです。

【対面キッチンのメリット】
① キッチンの足元が見えにくく、
② リビングやダイニング全体を見渡せる
③ 背面に収納スペースをしっかり確保できる
④ キッチンが孤立せず、家族とのコミュニケーションが取りやすい

もちろん、壁付けキッチンも一つの選択肢です。壁付けキッチンは空間を多く使わなくてもダイニングキッチンを確保することができますので、ご夫婦のみ、家族の人数が少ない場合に適しています。また、壁に向かっているので料理に集中したい方にも向いていると思います。

ただ、壁付けキッチンの場合は収納スペースが限られているので、カップボードをつけて収納量を確保していただいくことが大切です。

また、お子さんがいるご家庭のキッチンのレイアウトは、リビング、勉強スペース、お庭など全体をぐるっと見渡せる配置にすることが重要だと思いますので意識して配置してみてください。

■冷蔵庫のレイアウト


冷蔵庫のレイアウト(設置場所)は、ダイニングからアクセスしやすい場所に設置するのが基本です。

「冷蔵庫は生活感が出る」という理由で、冷蔵庫をキッチンの1番奥やパントリーに設置する方がいますが、あまりおすすめしません。

この配置には「コンロの近くになるため食材など取り出しやすく調理効率が上がる」「生活感を隠せる」といったメリットもありますが、ダイニングからアクセスしやすい場所に冷蔵庫がないと動線が悪くなり、キッチン内で人の渋滞が起こりやすくなります。また、揚げ物の最中、鍋や包丁を持った状態でお子さんが近くにいるのも危ないですよね。

生活している以上、生活感が出るのは仕方のないことですし、何より最近の冷蔵庫のデザインはスタイリッシュなものが多いです。毎日使うキッチンでは、見た目よりも安全面を優先し、ダイニングからアクセスしやすい場所に冷蔵庫を設置しましょう。

また、冷蔵庫のレイアウトで注意すべき点として「扉の開く向き」があります。
扉の開き方によっては、回り込んで使用することになってしまい、これが毎日となると不便を感じてしまいますよね。新築時に冷蔵庫を新しく購入する場合は、間取りに合わせて選ぶことができますが、すでに持っている冷蔵庫を配置する際は、間取りの段階から扉の開き方にも注意して配置を検討する必要があります。

■水回りへの動線


キッチンと水回りは、できるだけ隣接させることをおすすめします。洗濯したり、洗濯物を干したり取り込んだり、お風呂掃除したりと、日々の生活でキッチンと水回りに行ったり来たりは頻繁にあります。

家事の無駄は「移動」です。仕事や家事、子育てと忙しい方が少しでも家事を楽にするためにも、キッチンと水回りは隣接させてください。

中には、キッチンと水回りが別の階にある間取りを見かけますが、移動が本当に大変です。もちろん、各家庭の生活パターンにより最適な間取りは異なりますので、キッチンと水回りをあまり行き来しない方は問題ないかもしれませんが、洗濯や料理など並行して進めることが多いという方は、キッチンと水回りは同じ階で、隣接させたほうが移動の負担が減り、家事効率が上がると思います。

■家事動線


家事は毎日の生活に欠かせないものであり、家事を効率よくこなすためには「家事動線」が非常に重要です。家事動線に配慮することは重要ですが、家事動線を優先しすぎて収納や家具の配置に悪影響が出ないように他のスペースとのバランスも合わせて考えるようにしましょう。

例えば、SNSで人気の回遊動線を取り入れて回遊性の高いキッチンにすると、ドアの数が多くなり、その分収納や家具の配置に使えるスペースが少なくなります。またキッチンで作業している後ろを家族が通過することで。調理の邪魔になってしまうケースも考えられます。
何事もバランスが重要ですね。

■ワークトライアングル


ワークトライアングルとは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3つを線で結んだ時にできる三角形のことです。
この三辺の距離が長くなりすぎてしまうと家事の効率が落ちてしまい、逆に短すぎるとスペースに余裕がなくスムーズな作業がしづらいキッチンだと感じてしまいます。

理想的な距離の目安は『三辺の合計(A+B+C)が360-600cm程度』

また、三角形のかたちが正三角形に近いほどバランスの取れたワークトライアングルとなり、この動線の中に調理器具や食器などの収納やゴミ箱などが備わっていると、より理想的です。

■キッチンのレイアウトに関するQ&A


Q.勝手口は必要ですか?
A.勝手口は必ずしも必要ではありません。

勝手口はコストや防犯面を考慮すると、なくても良いと思います。
毎日ゴミを外に出しておきたいという細やかな方は、勝手口が便利かもしれませんが、そうでなければ勝手口を設置しなくても良いと思います。

Q.キッチンの天井下げってどうですか?
A.デザイン面でカッコよくなるので、おすすめです。

キッチンの天井下げは、デザイン的に引き締まった印象を与えるため、非常にスタイリッシュになりますので良いと思います。天井を下げたところにアクセントクロスや羽目板を使用すると、さらにカッコよく仕上がるので、ご予算に応じてチャレンジしてみてください。

ただし、2400mmの天井を下げると圧迫感が出てしまいます。天井下げをする場合はLDKの天井を2600mmや2700mmにしてキッチンの天井を100mm下げていただくと良いと思います。

また、SNSやモデルハウスを見て「キッチンの天井を下げたところに間接照明をつけたい」というご要望はありますが、汚れが溜まりやすく実際には使用頻度も少ないのでおすすめしません。

今回は、ズボラさんがキッチンで失敗しないためのレイアウトについてご紹介しました。使いやすさを重視しながら、家族のライフスタイルに合ったキッチンづくりをじっくりと考えてみてください。

家事が少しでも楽になり、日々の生活をより快適にするレイアウトが見つかることを願っています。それでは、次回もお楽しみに!