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2024.12.12

【2025年の新補助金発表!】子育てグリーン住宅支援事業・GX志向型住宅とは?

こんにちは、太陽ハウジングです。

11月29日に発表された2025年の新補助金制度をご存じでしょうか?ニュースなどでご覧になった方も多いかもしれません。

「子育てエコホーム支援事業」の後継としてスタートした「子育てグリーン住宅支援事業」では、最大160万円の補助金が受けられるようになりました。

今回のコラムでは、新補助金制度の概要、補助金額、対象条件など、具体的なポイントを分かりやすく解説していきます。

■2025年の新補助金制度について

2024年の補助金制度「子育てエコホーム支援事業」では、対象住宅が長期優良住宅とZEH水準住宅の2種類あり、長期優良住宅の補助金額が100万円、ZEH水準住宅が80万円の補助金額が受けられるという内容でした。

2025年の新補助金制度の名称は、「子育てグリーン住宅支援事業」です。

「エコホーム」から「グリーン住宅」に変わりました。(毎年同じ名称で良いように感じます。名称や内容が変更になったことでホームページなど新しく作ることになるから…なんて考えてしまいますね。それでは新補助金制度の話に戻ります)

補助金額は報道ででもありましたが、長期優良住宅より1つ上の基準である「GX(グリーントランスオートメーション)志向型住宅」が設けられ、しかも補助金額が160万円と高くなりました。

一方、長期優良住宅の場合はエコホーム支援事業の補助金額100万円から20万円減額され80万円(建て替えの場合は100万円)、ZEH水準住宅の場合は40万円減額され40万円(建て替えの場合は60万円)となります。

また、対象となる世帯について、長期優良住宅とZEH水準住宅は、子育て世代(18歳未満の子を有する世帯)と若者夫婦世帯(39歳以下の世帯)とエコホーム支援事業と同じ条件となりますが、GX志向型住宅は、すべての世帯が対象ということになりまた。

子どもが大きくなって夫婦でコンパクトな平屋を建てて終の棲家にという方も増えてきたので、そのような方はGX志向型住宅の対象になってくるというところも大きな変更点と思います。

(余談ですが…)

それにしても、GX(グリーントランスフォーメーション)という名称はカッコいいですね。2018年にDX(デジタルトランスフォーメーション)が発表されたときもカッコいいと感じたことを思い出しました。おそらくトランスフォーメーションという響きが男心をくすぐるのかもしれません。ほんとメタモルフォーゼくらいカッコいいです。

2025年はGX元年です。今後、住宅業界で旋風を巻き起こしていくのではないでしょうか?(個人的には早くウェブページでGXとか、グリーントランスフォーメーションというワードを使いたいです)

■GX志向型住宅の適用要件

GX志向型住宅の要件は3つあります。

断熱等性能等級6以上

1つ目は、断熱性能をHEAT20 G2にしていきましょうということです。具体的には愛知県エリアであればUA値0.46以下であることが求められます。

意識が高い「高気密高断熱の住宅を作りますよ」という住宅会社であれば、HEAT20 G2は比較的取り組みやすい性能だと思います。

太陽ハウジングでは、11月にオープンした「一里山町モデルハウス」が、断熱等級6 HEAT20 G2を取得しています。

▼一里山町モデルハウス

再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上

2つ目を要約すると、高効率型給湯器や節水タイプの住宅設備(水栓など)、照明器具やエアコンなどを使って省エネ基準で定められている一次エネルギー消費量をクリアしましょうということです。

今までの一次エネルギー消費量の最高等級が6で「削減率20%」だったものを、一気に「削減率35%以上」にすることが求められる内容で、かなり上げてきたといった感じです。一次エネルギー消費量等級も6の上の7とか8という基準も創設されると思います。

(なんだか、iPhoneやWindowsみたいになってきましたね(笑))

いずれにしても「省エネ機器を使って、エネルギー消費を抑えた家づくりをしましょう」ということが条件になります。

ちなみに、ZEH水準住宅でも一次エネルギー消費量の「削減率20%以上」という基準がありますが、GX志向型住宅ではZEH水準を大きく上回る省エネ基準が求められるということになります。

再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上

3つ目は、太陽光発電を設置して、自分で使う電気は自分でまかなって、(計算上でも良いので)自給自足できるようにしましょうという内容です。要するに、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%ということです。

ちなみに、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上を目指すためには、太陽光発電を5~6kW以上設置しないとクリアは難しいのではないかと思います。屋根形状によっては規定の太陽光発電が設置できないということも考えられるので、屋根形状は住宅会社と擦り合わせしていただいたほうが良いと思います。

ただし、この基準を達成することだけを優先するあまり、粗悪な海外製や無名メーカーの太陽光発電パネルを搭載する住宅会社が現れる可能性が懸念されます。そのような場合、設置後のメンテナンス性や耐久性、安全性に問題が生じるリスクがあるため、選定には細心の注意が必要です。信頼できるメーカーや実績のある製品を使用することが推奨されます。

特に、太陽光パネルの耐久性を評価する指標として重要なのが「高温高湿試験」です。これは、いわゆる「パネルの寿命や経年劣化の度合い」を測定する試験であり、太陽光パネルの長期的な性能を保証するうえで重要な基準となっています。日本国内では、規格上「1,000時間(10年相当)以上」の高温高湿試験をクリアしていれば市場に出すことが可能です。しかし、太陽光発電で元を取るためには、最低でも「13~15年間」の発電が継続する必要があります。そのため、「1,000時間(約10年)」の基準を満たすだけのパネルでは、たとえ初期費用が安価であっても、投資回収が困難です。

したがって、太陽光パネルを選定する際には、目先の補助金や短期的な性能だけでなく、長期的な耐久性や廃棄時の環境負荷にも十分配慮することが重要です。特に「高温高湿試験」で「2,000時間(20年相当)」以上をクリアした製品を選ぶことで、長期間にわたり安定した発電が可能となり、持続可能なエネルギー利用を支える基盤となります。

子育てグリーン住宅支援事業の注意点

注意点としては、建物ではなく、建物を建てる土地で補助金が受けられない可能性があります。以下の土地で建物を建てる場合は注意が必要です。

「土砂災害特別警戒区域」に立地する住宅

土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づいて指定されており、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りなどの土砂災害が発生する可能性が高いエリアになります。

災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域又は地すべり防止区域と重複する区域に限る)」に立地する住宅

特に、急傾斜地の崩壊や、地すべりといった災害リスクが高い地域に建てられている住宅を指します。この区域は法律や行政によって指定されており、特に災害発生時の危険性が認識されています。

立地適正化計画区域外または災害レッドゾーンに該当する住宅

詳しく説明すると、「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、3戸以上の開発又は1戸若しくは2戸で規模1000㎡超の開発によるもので、市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅です。

立地適正化計画区域内の居住誘導区域外とは、人口やインフラの集中を促進したい区域(居住誘導区域)の外側に位置するエリアもことで、この区域では、都市機能の維持が難しく、行政としても居住や開発を推奨しないとされています。

災害レッドゾーンとは、土砂災害や洪水などの被害が発生した際に、人的被害が生じる可能性が特に高い区域を指します。

市街化調整区域かつ浸水想定区域(3m以上の浸水予測)の住宅

「市街化調整区域」かつ「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る)」に該当する区域に立地する住宅です。

市街化調整区域は、都市計画法に基づいて指定された区域で、市街地の無秩序な拡大を防ぐために設定されており、基本的に開発行為や建築が厳しく制限されたエリアです。土砂災害警戒区域は、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りなどの災害が発生する恐れがある地域で、人的被害が予想される場所です。

浸水想定区域(浸水想定高さ3m以上の区域)は、洪水や高潮による浸水が予想される地域で、特に3m以上の浸水が想定される区域は、被害が甚大になる可能性が高いとされています。

土地から探す方は、購入前にハザードマップなど確認して、安全な土地選びをすることが重要です。

長期優良住宅 or GX志向型住宅

これから家づくりをする方にじっくり考えていただきたいのは「長期優良住宅かGX志向型住宅のどちらを選ぶべきか」ということです。

これは「どのような家づくりをしようと思っているのか」や「求める家の仕様」によって変わります。また、建てようと思っている住宅会社の仕様にもよります。

家づくりをする中で、HEAT20G2の断熱等級6以上は必須で、太陽光発電を設置するなど、家づくりにおいて意識が高い方であれば「GX志向型住宅」を狙ってください。

一方で、子育てエコホームの補助金100万円の長期優良住宅を検討していた方は、補助金が高いからと言って無理にGX志向型住宅に引き上げるのはオススメしません。

長期優良住宅とGX志向型住宅の補助金の差が80万円ですので、80万円以内の金額でGX志向型住宅の基準まで上がるのであれば良いですが、100万…200万…と上乗せするのは、本末転倒になってしまうと思います。

コスト面を重視し、無理なく家づくりを進めることは間違いではありません。補助金の額にとらわれるのではなく、自分たちの暮らし方や価値観、予算に合った住まいを選ぶことが重要です。

断熱等級6の変更差額、再エネを除いた一次エネ消費量の削減率35%をクリアして、太陽光発電で自給自足するには太陽光の容量は何kWくらい必要なのかというところを計算した上で「GX志向型住宅にするのか、長期優良住宅で行くのか」を決めていただいたら良いと思います。

「GX志向型住宅」という新しい選択肢は、補助金だけでなく、エコで持続可能なライフスタイルを目指す家づくりができます。ただし、補助金の額だけにとらわれるのではなく、自分たちの暮らし方や価値観、予算に合った家づくりをすることが大切です。

太陽ハウジングでは、お客さまの理想の住まいを形にするために、家づくりを全力でお手伝いさせていただきます。

次回のコラムもお楽しみに!何か気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。