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2025.01.30

【変動金利で住宅ローンを組む方必見!】1月24日の日銀発表の利上げで負担はどう変わる?

こんにちは、太陽ハウジングです。

1月24日に日本銀行から利上げの発表がありました。

変動金利で住宅ローンを組んでいる方にとっては重大なニュースになったのではないかと思います。

追加の利上げはおおかたの予想通りでしたが、日銀の植田総裁の会見中の質疑応答の中で、これから家づくりをする方であれば「知っていたほうが良い発言」がありました。

今回のコラムでは、利上げでどのような影響があるのかを説明したいと思います。

そもそも政策金利って?

政策金利とは、日本銀行が金融政策を実施する際に基準として設定する金利のことです。この金利は、国の経済を安定させたり、景気を調整したりする目的で操作されます。

景気が悪いと金利を下げることで、お金を借りやすくし、企業の設備投資や個人の消費を促すことで経済活動を活発にします。

一方で、景気が加熱しすぎてインフレが進む場合には、金利を上げて資金の借り入れを難しくすることで、消費や投資を抑制し、物価の上昇を抑えるなど政策金利を上げることでコントロールをしています。

■利上げの背景

利上げの背景には以下の要因があります。

・景気回復
これまで日本ではマイナス金利やゼロ金利政策によって金融緩和が行われてきました。が、景気が徐々に回復しているとの見方が広がり、政策の修正が求められるようになっています。(実際に景気が良くなったかどうかは定かではありませんが…)

・物価上昇
物価が上昇してインフレが進行すると、物の値段が急激に上がり国民の生活に大きな影響を及ぼします。例えば、今までの倍の物価になると、国民の生活が破綻し、貨幣価値がどんどん下がってしまうなども考えられます。そのため、金利を引き上げる必要性が高まっています。

・円安
金利が低い国の通貨は相対的に売られやすく、円安が進行する傾向にあります。現在、日本の金利が低いことでアメリカとの金利差が拡大し、円を売ってドルを買う動きが加速しています。円安が進むと、国の競争力が低下し、輸入品の価格上昇や生活費の負担増加といった悪影響をもたらします。(海外旅行も行きにくくなっていますし、輸入品の価格上昇を通じて負担も増加していますよね)

ただし、政策金利を引き上げると国民の生活負担が増加するため、賃金の上昇が伴わなければ実施は難しいとされています。しかし、大手企業では賃金が上昇傾向にあり、春闘では満額回答が増加するなど、ポジティブな動きが見られます。こうした状況を踏まえ、今が利上げの適切なタイミングじゃないかという流れになっています。

利上げ後の変動金利について

そんな流れの中で2024年3月にマイナス金利を解除して政策金利が0.1%になり、2024年7月にさらに0.25%と引き上げられました。これにより、住宅ローンの変動金利が上がり負担が少し増え、さらに2024年12月に再利上げする見通しもありましたが、そこでは再利上げしなかったですね。(アメリカ大統領のトランプさんの就任もあって様子をみたのかもしれません)

年が明けた2025年1月23日24日に行われた金融政策決定会合で、政策金利を0.25%から0.5%程度に引き上げる追加の利上げが決定されました。追加の利上げは去年7月の会合以来で、政策金利は2008年10月以来、17年ぶりの高い水準となります。

今後の変動金利はどのように変わるのでしょうか?皆さん気になるところですよね。

変動金利は日本銀行が決定する政策金利に基づいています。今回決定された政策金利を0.25%引き上げることで、変動金利の基準となるレート金利「短期プライムレート」も0.25%上がるだろうとされています。(短期プライムレートは各銀行によって設定されていますので、バラツキはあります)

大手銀行の中には、すでに短期プライムレートの引き上げを発表したところもあります。例えば、三菱UFJ銀行では、現行の1.625%から1.875%に引き上げます。

他の銀行も、同程度の水準まで引き上げる可能性が高いと言われています。

住宅ローンの金利はいつから上がる?

短期プライムレートが上がったからといって、すぐに変動金利が上がるわけではありません。

3月までは住宅ローン申し込みのハイシーズン、つまり住宅ローンの稼ぎ時です。ハイシーズンの間は銀行間の競争が激しく金利が据え置かれる可能性が高いため、あくまで予想ですが、住宅ローンの金利引き上げは4月からと思われます。

一方、すでに住宅ローンを組まれている方(既存の借り入れ分)については、住宅ローンの基準金利の見直しは4月と10月に行う銀行が多く、すぐに金利が上がるわけではありません。

毎月の返済額はいくら上がる?

政策金利が0.25%上昇すると、それに伴い変動金利も0.25%上がります。

その結果、毎月の返済額は以下のように増加します。

3,000万円を変動金利0.6%、35年返済で借りている場合
毎月3,396円増加

4,000万円を変動金利0.6%、35年返済で借りている場合
毎月4,525円増加

5,000万円を変動金利0.6%、35年返済で借りている場合
毎月5,660円増加

毎月の支払いの増加分をみていかがでしょうか?多少上がるものの大丈夫な範囲ではないでしょうか。

ただ注意すべきことは、0.25%の金利上昇でも総支払額が100~200万円増加する点です。わずかな金利の変動でも長期的には大きな負担となることがわかります。

変動金利の5年ルールと125%ルールについて

「金利が上がっても変動金利には5年ルールと125%ルールがあるから、毎月の返済額は5年間変わらないし、急に上がっても125%までだから大丈夫じゃない?」と考える方もいるかもしれません。しっかり勉強されているとは思いますが、実際のところはどうでしょうか?

Q.変動金利には5年ルールと125%ルールがあるから大丈夫じゃないの?
A.大丈夫ではありません。「ツケ払い」と同じです。

急激な金利上昇時の支払い負担を軽減するために、変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」が設けられていますが、注意が必要です。

・5年ルール
金利が上昇しても5年間は毎月の返済額を変わらず一定にする

・125%ルール
急激に金利上昇しても6年目以降も返済額は125%までにする

変動金利には上記のルールがあるので、一見安心に思えるかもしれません。

しかし、これらはあくまで「ツケ」に過ぎません。

毎月の支払い額は変わらなくても、元金と利息の内訳が変わり、元金の減りが遅くなり、利息の割合が増えるだけです。その結果、上昇した金利分の支払いは、最後にまとめて請求されることになります。

5年ルールと125%ルールは意味がないことではありませんが、当てにし過ぎず、安心ではないということを覚えておいてください。

今後の変動金利について

1月24日の植田総裁の質疑応答では、経済情勢を見ながら、金融緩和でも金融引き締めでもない政策金利の水準である「中立金利」まで引き上げていくという方針が示されました。中立金利がどの程度なのかは推計に幅があり、日銀の意見としてということ、人口の減少によっても変わってくると前置きしながらも中立金利を1%~2.5%という発言がありました。

内容が難しすぎるので詳しくは説明しませんが、分かる方には結構驚きの数値だったのではないでしょうか。

ここからは予想になりますが・・・・

植田総裁の発言から感じられるのは、少なくとも中立金利を1%に引き上げる決意だということです。2.5%まで引き上げるかどうかは不明ですが、市場では「1%以上を目指している」と受け止めている意見が多いようです。

要するに、2026年までに政策金利が1%から1.5%程度に上昇する可能性があるということです。この場合、変動金利も1%から1.5%程度に上昇する可能性があるかもしれません…。

2025年7月に政策金利が0.25%上がって0.75%、2026年1月か7月か分かりませんが、そのくらいの時期に政策金利1%になる可能性は十分にあると思います。

具体的に、4,000万円を変動金利0.6%で35年返済の場合は、毎月14,000円増加することになります。

(そんなに金利が上昇する?盛りすぎじゃない?)と思うかもしれませんが、2024年7月の利上げの際にコラムで以下の内容を説明しています。

2024.8.8 速報【いよいよ変動金利上昇!?】短期プライムレート引き上げで住宅ローンはどうなる?

このコラム内で「ここからは予測ですが、2025年くらいまでに短期金利(無担保コール翌日物金利)が0.511だった2007年4月のリーマンショック前のいざなみ景気くらいまで上がるかなと思います。今回が0.25なので0.51くらいの水準には1~2年でなっていくと予想はしています。」

約半年前のコラムですが、利上げのスピードは予測より早くなっています。

もちろん、世界情勢や為替、トランプ大統領の動きなど、いろいろな情勢に応じて決めることなので分かりませんが、金利が上がることを理解した上で家づくりをしていただいたほうが良いと思います。

変動金利が上がっても耐えられる家計を今から準備しておいてください。

今後の金利動向を見据えると、家づくりを検討している方にとって、計画的な資金準備がますます重要になりそうです。変動金利の上昇は家計に直接影響を与えるため、住宅ローンを検討中の方は、利上げの影響を踏まえた上で返済計画を立てることをオススメします。

太陽ハウジングでは、金利に関する疑問や、これからの家づくりに関するご相談にも丁寧に対応しております。どんな小さなことでも、ぜひお気軽にお問い合わせください。